【学習習慣をつける!】発達障害・発達特性のある子の夏休み

長い長い梅雨を経て、夏休みに入ろうとしています。
COVID-19が5類に移行して初めての夏休みという事もあり、色々と予定を組まれているご家庭も多いのではないでしょうか?

就学したばかりの発達特性をもつ子も、特性を抱えながらも支援級や普通級で頑張っている子達も、この夏休みの間は、ちょっと心を落ち着かせて物事を考えるひと夏の期間にもなるのかもしれません。

4月からのこの3か月間・・・本当に子ども達はよく頑張りましたよね!

この夏休みの間には、親御さんもできるだけ子供に寄り添いサポートをすることかと思います。
また、コロナ禍後初の夏休みなので、旅行の計画を立てられているご家庭も多い事かと思います。

コロナ後初めての夏休みで海水浴する家族の画像

発達特性をもつ子達にかけがえのない経験をさせてあげるにはどうしたらよいのか?そしてその学びを記憶に残すにはどうしたらよいのか?

今回は、夏休み期間の「学習面」の点にフォーカスして考えて行ってみたいと思います。

目次

1学期の遅れをゆっくり取り戻す

ADHD(注意欠如・多動症)やLD(学習障害)の子で不注意優勢である場合などは、なかなか集中できずに授業中も記憶に残すことは困難であったかと思います。

また、ASDの子は環境が大きく変わる事によってストレスをため込んでいたタイミングで大変だったかと思います。

この夏休みは、なるべく落ち着いた環境(ご自宅)で、自分のペースで良いので、学習の機会や学習癖を再構築していくには最適な期間であったりします。

およそ1カ月ちょっとある夏休みの期間は、「習慣化の再構築」を行うには十分な期間となります。
1日の大半を自分のペースで遊んでもいい。でもまず最初はプリントを1枚でいいからやる。ドリルを進める。
わからないところは親御さんや個人指導を受けながらフォローを行っていくというのが、子どもの不安軽減にも役立つでしょう。

しかしこの期間を、子ども達にゲームをさせたり動画視聴させたりするだけで終わらせてしまうのは、すさまじくもったいない!
それだけではなく、学習癖が身につかないまま二学期を迎えると子どもの特性を悪化させてしまう事にも繋がります。

この負の連鎖を作り上げないために、親である我々ひと工夫するタイミングでもあります。

発達特性をもつ子は集団生活での学習に追いつくのが結構大変ですから、1学期の遅れをゆっくりと取り戻していく事が重要になるかと思います。

まずはこの3か月間でついていけていなかったところ、今後の学習に必要な個所などを子どもに振り返ってもらって、その点を少しづつ解消しながら、子どもの遊びも加えて行ってあげるという習慣をつける事が重要になってくるでしょう。

子供の苦手を再確認?特性を伸ばす?


新しい環境で1学期を過ごすことで、親も子も色々と感じるところがあったかと思います。
まずはこの3か月間頑張りとおした子供たちを褒めてあげたいですよね。


ですが、親の立場ではついつい、できていないところに目を向けがちになってしまい焦燥感に駆られる事もあるかもしれません。


大人の立場で、周りの子を見渡してみてみると・・・。

「小学校低学年では、他の子はすらすらとひらがなをかけているのに・・・」
「小学校中学年では、2桁計算や掛け算もできる子が多いのに・・・」
「小学校高学年では、記述問題や自分の意見を書いたりすることができる子が多いのに・・・」

「中学校では、さらに難しくなる勉強についていく事はできるのだろうか・・・?」


などと、親御さんは自分自身の子ができていない事に対してストレスを感じてしまうかもしれません。

しかし、それ以上に子どもの方が不安や葛藤を抱えながら日々を過ごしているというところを我々は理解せねばなりません。
子どもは決して手を抜いているわけでは無く、最大限努力しようとしても「できない」、「理解できない」という事に苦しんでいるからです。そのため現実逃避をしたり、その苦難から顔を背けて別のことに没頭するようになってしまいます。


その点に寄り添っていかねば、その後の「子どものこころの溝」はより深くなってしまうかもしれません。


自分のペースで学習できない子どもの葛藤

勉強が分からなくて困っている子

また、その子にとってのペースがあるにもかかわらず、学校側はそれに応じてカリキュラムを進められないという問題もあります。
小学校から学習症が目立ってくるのは、ついていけない子供の困難さが浮き彫りになってくるからとも言われています。

2019年のケンブリッジ大学の報告では、5~18歳の児童において、注意、学習、記憶に問題のある子供800人と、問題のある子供と同じ学校から集められた定型発達の子供200人とを比べた結果、学習において困難さを示していた子達の「音韻処理」、「短期記憶」、「作業記憶」、「注意、実行機能」、「処理速度のテスト」の点において、定型発達の子達に比べてかなりの苦労を有する、また辛いと感じる率が高かったと報告しています。

ケンブリッジ堕胎額からの研究報告、定型発達の子に比べて、発達障害の子は学習面で相当苦労している

就学前のタイミングから高度教育の幅広い段階で、子ども達は学習に対する困難さをもつ事となっています。
子どもによって苦手とする項目は異なりますが、そこを見極めてサポートしてあげ上げる事が重要であると述べています。

個々に合わせてあげようにも合わせられない学習システム


一方で、学校では先生も一人しかいないため、個々の進捗の状況を細かく確認することは困難です。
さらに子どもが支援級に通っていたとしても、お子さん個々のペースがあるため、必ずしも支援級の学習のペースや難易度が自分のペースに合うとは限らず、子どももさらにストレスを感じたりすることもあります。

「得意な教科を伸ばす」「足りてないところを補う」という事を行うには夏の期間は非常に重要でもあります。
その際は、子どものペースに合わせて個人指導やサポーターに依頼をするのが重要になってきます。

親御さんがついてあげられるのならば良いですが、実際はかなり難しいのが現状です。

①仕事があるため、子どもに付きっ切りでいてあげられない
②家事を回したりその他さまざまなことに追われており親にゆとりがない
③教えるノウハウを親が持っているわけでは無く困っている
④長い時間子どもと接することによる親のストレス

などのように、保護者の方々も子どもに付きっ切りで学習についてあげる事そのものが結構高いハードルであったりします。

しかし、子どもにとってはこの夏休みは「自分の慣れ親しんだ環境で」「自分の感覚を優先して」「自分のリズムに応じた」学習方法の習慣をつけさせる上には最適な時期であることには違いがありません。

個々の状況に応じた家庭学習の導入

子どもの特性に応じたカリキュラムを組むことの重要性


いままでに述べた問題点も鑑み、この夏休みに短期でもよいので特性持ちの子の学習習慣をつけるためには、
発達しょうがいにも配慮がある個人対応の家庭教師や個人指導や放課後等デイサービスを検討するのも良いかもしれません。

最近は発達しょうがいを持っている子をサポートする個人指導塾も盛んになってきていますね。
奇しくも、コロナの関係もあり、有名塾や個人指導のリモートでの家庭教師も増えてきたように感じられます。
実際のところ、コロナ前ではこんなに積極的に展開されていることはなかったのでは?
と思うくらい発達障害をもつ子のサポートも積極的に展開しているのではないかと思います。

このwebでの個人指導や塾などをうまく活用する事で親も送り迎えは不要となり、子どもにとっても安心できる家庭環境子供のペースに応じた学習をさせてあげられるようになるかもしれません。また、送迎付きの放課後デイサービスもありますので選択肢の幅は本当に広がったかと思います。

いや、ほんとに送り迎えがないというのは本当に感謝感激雨あられです。何かあったときに駆けつけなくても大丈夫ですし、家でカリキュラムを組めるのは親子共にすごく負担が減る事ではないかと思います。

さらにADHDやASDやLDの子達に応じたカリキュラムを個々人に応じて学習支援してくれる点はかなり大きなポイントです。

「夏休みの期間」×「家庭学習の癖」×「発達しょうがいに対応できるプロにお任せ」というポイントで夏の期間の学習習慣をつけさせていってあげたいですね。

子どもの落ち着ける環境下で、周りの子と比べる必要もなく、自分の苦手な所を埋める?長所を伸ばす?を相談できる!
という点は子どものモチベーションを維持する点でも重要になってきそうです。
ひと夏の学習癖をつける一環で検討されてみてはいかがでしょうか?

下記に、発達障害児にも対応できる学習システムを持つ先の一覧を記載しておきます。

参考:発達しょうがい児対応個人指導と夏休みの過ごさせ方

通常は夏休みは学童に預けて対応という事になりますが、発達特性を持っている子は、その支援に慣れた「放課後等デイサービス」を利用するのが良いと思われます。子どものこころ専門医も夏休み期間は、放課後等デイサービスの活用がいいのではないかという事を述べています。
それ以外に、夏休み全般をどう過ごさせて、よい二学期を迎えさせるのかも紹介してくれていますのでご覧ください。

もし最寄りにない場合や、家庭で観察しながら進めてあげたいという方は、発達特性を持っている子に慣れたカリキュラムを個人指導してくれるサービスも有用かとおもいます。

【発達障害サポーター’sスクール】
個々の状況に応じてカリキュラムを相談できるところが強みですね。夏休み期間中に苦手分野の補強をしたい親御さんと子どもにとっては大きな味方になってくれると思います。

【自立学習応援プログラムすらら】
ゲーム感覚で進める事ができるカリキュラム。退屈さで勉強に身が入らない子どもに置いての初期導入として必要なツールを提供してくれています。タブレットに慣れている子ならば導入も楽ですし、最近は小学校1年からタブレット使用をさせるカリキュラムですので、先取り学習にもなるかもしれません。(ただ時間に区切りをつけて学習をすることをお勧めします)

【LITALICO】
発達特性のある子の個性を伸ばすという点で、長所を伸ばす一環でもひと夏のカリキュラムとしては重要かと思います。
モノづくりや仕組みに興味を示す子も多い中、もし子どもが強みの片鱗をみせていたり、今後取り組ませたいと思っている親御さんにおいては一考の価値はあるかと思います。体験授業もありますので、子どもがなじむかどうかのチェックもできます。

ご家庭での学習は、子どもにとっての安全基地で進める事が大事となってきます。
その学習癖を夏休みにつけさせてあげる事も、遅れを取り戻すチャンスにもなりますし、
むしろ強みを伸ばすチャンスにもなったりします。

外遊びと学習癖をつけさせるためのツールはそろっています。
我が家もゲームばかり・・・というような夏休みにならないように気を付けたいと思います💦

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海外での子育て事情や科学論文などから日本の育児に行かせる内容を情報共有していきます。自分の子が発達特性持ちなので、発達障害関連の話題も盛り込むかと思います。

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