【ADHD診療の闇】海外から学ぶ世界的社会問題とは?

うちの子、ちょっと衝動性が高くて、不注意で・・。クリニックで予約しようとしたら法外な値段請求されたよ・・・。

ええ?一体いくら?

3000オーストラリアドル・・(約27万)

ええ~~~~!!あり得ない!!

そうじゃなきゃ診てやらないって言われたんだヨ・・・。でも他も予約取れないし・・・。近くに専門施設がないし・・・。

闇が深すぎる・・・。こんなこと許されるべきじゃないよね・・・。

上記のやり取りは噓のようで、実際に合ったケースのようです。
海外事例ではありますが、上記の内容は各国で問題となっています。
ADHDの診療予約に法外な値段を課して、優先枠を設ける団体がある。ただし診療の程度は不明・・・恐ろしいものです。

下記は海外情報を見ているときに見つけた記事ですが、オーストラリアでは一つの社会問題として取り上げられています。

【海外記事引用】Call for more GP training to deal with ADHD

こちらはオーストラリアのニュースサイトNewsGPからの引用ですが、世界的に認知度の高まったADHD(注意欠如・多動性障害)で親御さんも悩む事例が増えているようです。
その需要を知ってか、ADHD診療の予約に高額な料金を請求するADHDクリニックが増えていることが社会問題であると指摘しています。

認知度が高まり、親御さんの事前の観察のおかげで子どものADHDを疑い、医療機関に相談したいという需要が高まる事は大事ではあるのですが、その診察をする専門的な児童精神科医や小児神経科医が少なく受け皿が乏しいという事が招いている問題でもあります。

この医療問題を逆手に取りこのような高額サービスがはびこっていることが世界的に大きな問題となっています。

これらのサービスはかなり悪質な点としては、

①通常は対面で検査を行って行うのに、遠隔診療で済ませようとしている点
②予約依頼順に対応するのに法外な値段をつけて予約優先権を与えている点

(紹介患者は例外があります)
③まともな診療や検査が行われているかの実態が不明
④ちゃんとした診断になっていなくとも薬物治療を行うケースもある
⑤弱者救済のための精神保健システムを悪用している点

などです。

それでも親御さんがこの問題で悩み、子どもの生きづらさを何とかしたいという気持ちからか、やむなく大金を支払って予約優先を得ているケースもあったりするようです。悩んでいる人をあざ笑うかのような仕打ちであり、許される事ではありません。
海外でもこの事例はかなりあくどいものとして認知されています。

このような状況を打破するためにも、ADHDを専門とするDr Dianne Grocottは一般診療科の先生方もこれらの疾患に対する知識とトレーニングを受けて、増え続けているADHD診療案件の担い手になって欲しいと訴えています。

ADHDもうまく初期対応を行えば二次障害を招くこともなく軽快させることができますし、社会進出も十分できます。
本来あるべきプライマリケア(病気や怪我をしたとき最初に受ける医療のこと)を担当するかかりつけ医が正しい知識をもつ事で充分に対応可能です。そのため患者の治療の機会損失や医療従事者の心理的安心感のためにもサポートしてほしいとも述べています。

ADHD治療を行う際には、一般臨床医はオーストラリアでは事前認可を得る必要があります。
一般診療科の医師も国に届け出をしてADHD診療の担い手になって欲しいとのことです。

ただしここにも問題はあります、一般診療科がADHD診療に従事するにあたり、

①診療報酬が伴っていないので、診察した医師の手間が増える割にはメリットが少ない
②忙しいクリニックでは一人一人の診察に時間がかかるため効率が下がってしまう
③専門的な内容なのですぐに専門医に紹介した方がいいと考える医師も多い
④今後に関わってくるので安易な判断ができないため躊躇してしまう

等の諸問題が存在することです。

オーストラリアのADHD診療に携わる医師は、正しい知識さえ持てば、専門施設で治療されたお薬の引継ぎもできますし、ADDH治療の専門家のノウハウを一般診療科に共有することで効率的に診療もすることができるとも述べています。

ただそれだけではなく、やはり国からの資金も必要となってくるため、一般診療科の関心向上と国の支援が重要になってきます。

ADHDの疾患そのものの社会的認知が広がったことは良いですが、そのための受け皿がまだまだ脆弱であるがために生じているゆがみでもあります。また、ADHDと鑑別されたわけでは無く、発達グレーゾーンの子ども達もこの中には含まれるため、本来は適切なアプローチをするだけでも十分にサポートできる事例も多々あります。

今回は海外事例でしたが、日本でも、発達障害の認知が広がる事で、医療機関に相談したいという親御さんの需要は非常に高いくなってきています。一方で日本の専門機関でも予約待ちの状況も相次いでおり、なかなか診察が間に合わない事情もあります。
(一人一人の対応に時間がかかる事や専門とする医師がまだまだ少ないため)

ネットなどに色々と情報は出回っていますが、医学的見地や根拠不明の情報も出てきつつあります。
少しでも親御さんがADHDに対して正しい情報を得られる場ができてくれば良いなと思っています。

ADHDに関して非常に良くまとまっている書籍もあります。少ないページで分かりやすく端的にまとめてくれている良本です。
是非、ADHDという疾患の情報整理の一環で読んでみてもよいかもしれません。

誤解だらけの発達障害 岩波明氏
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【Infomation】
ここからは私たちの事業の紹介になります。

我々もこの社会問題を是正したいという事から、子どものこころ専門医とオンラインコミュニティの立ち上げを検討しています。

親御さんに正しい情報を持ってもらい「子育ての軸」をしっかり持ってもらう事で、「ご家庭でできる予防方法がある」という事をお伝えするためのコミュニティの場にするべく準備中です。

能動的な子育てオンラインコミュニティ2023年7月より開催予定

オーストラリアの事例のような法外な値段は取りません(笑) 通常のオンラインサロンの相場で検討中です。

下記のようなケースでお悩みの親御さんに、専門医として正しい情報をお届けしたいと考えています。

親の多様な悩みをサポートするコンテンツを用意します

なぜオンラインサロンを設けたかについてですが、下記に取りまとめています。

なぜオンラインサロンで医療貢献をしようと考えたのか?

ただご注意いただきたいのは、診療はきちんと医療機関で行う必要があるため医療相談そのものは受け付けていません。
ご家庭でできる予防、そして親が正しい理解を得て家庭でどう活かしていくか?という点にフォーカスをしています。
そのことにより、本当に必要な患者さんに早急に適切な医療を届けていく事が一つの目的でもあります。
そして、「悩んでいる親御さんに正しい子育ての軸を持っていただく」事が最終的な目標です。

渡邉恵里医師は日本でも700人近くしかいない「子どものこころ専門医」の資格を持たれており、16年子どものこころを専門として診療をしてきて来た医師です。そしてママでもある事から、家庭内での予防の目線で情報を提供していただく予定です。

子どものこころ専門医とはどういう制度か?

具体的なコンテンツは下記内容を検討しています。(詳しくはLineお友達登録後の情報をご参照ください)

子育てを頑張る親の負担にならない情報提供を!

2023年7月より開催予定です。
最新情報はLineでお届けいたしますので、ご興味のある方は下記のお友達登録を頂けますと幸いです。(無料です)

今の子育ての社会問題の一つでもある、
「特性を持つ子は自然体で生きようとしている」

「特性を持つ子の親は自然体でいられなくなる」


この相互のGAPを埋めて能動的な子育てを構築するための場になれば幸いです。

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この記事を書いた人

海外での子育て事情や科学論文などから日本の育児に行かせる内容を情報共有していきます。自分の子が発達特性持ちなので、発達障害関連の話題も盛り込むかと思います。

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