令和も早いものでもう5年目を迎えます。
平成も31年間続いて、少なくとも、私が生きた昭和ももうかなり遠ざかったな・・・と実感しますね。
親が子どもを大切に想う気持ちは昭和も令和も大きく変わらないかとおもいます。ですが、
「この令和時代、不安定なことは多いけど、親はどういう子育てを意識していくべきなのか?」
という点には、明確な違いが出てきたというように感じます。
気になりますよね(;’∀’)私は気になります(;^ω^)
そのため、今日はいくつかの文献考察を含め、「少なくともこれはないな!」という消去法で考えてみたいと思います。
昭和の時代の子育てと令和の時代の子育て。この時代の間にはどういう違いがあったのでしょうか?
昭和の子育ては、どちらかというと根性論や親の介入もあり、かなり厳しい教育環境であったのではないか?
この点は、これからの子育てを考える上でも、棚卸の一環で重要な視点かもしれません。
本記事は
「子どもの将来が不安でたまらない」
「子どもが動かないからついつい口を出してしまう」
「これから先も学歴がないと勝負にならないのではないか?」
とお考えになられている親御さんに向けての記事となっています。
子どもが大事だからこそ、ついついあれこれ言ってしまう。
そして、いつの間にか子供を押さえつけ、自分の言いなりにさせてしまっていた・・。
それは今後、子どもの夢をかなえるために必要だと思うからこその親心なのかもしれません。(今も昭和も)
しかし、単純な学力だけでは実力を発揮できないこの令和時代では、ステレオタイプな人材ではなく、斬新さを持った人材が好まれつつあります。多様な要素が求められるわけでもありますよね。だからこそ、我々親側の子育てもより一層大変かと思います。
なぜ大変なのかというと
①デジタル社会でデジタルをうまく使う教育が必要(反面、デジタル漬けになる教育の弊害)
②地域コミュニティが枯渇し、孤育て世帯が増えている中で、答えのない育児に臨む必要性
③昭和時代の子どものコミュニケーションと令和での子どものコミュニケーションの劇的変化
④単純な学力だけでは生活防衛を図れない不安定な時代
⑤共働き世帯も増え、子どものこころの変化に気づきにくくなっている
などなど、昭和時代や平成時代に生きた我々の時代に比べ多様な変化が出てきており子育ても大変になりつつある状況です。
しかし・・・少なくとも、この子育てだけは絶対に令和では通用しないというものがあります・・。
それは・・「ヘリコプター育児(ヘリコプターペアレンティング)」です
このヘリコプターペアレントとは、「まるでヘリコプターのように親が、子供の傍らで管理したり、執拗な干渉を行ったり、
障害となる問題をまるでアパッチのように排除したがる親の総称」とされています。
しかも先制攻撃で、親が「危険だ!」と察知したら、先に相手側の基地を破壊しに行くほどの攻撃力!
それだけに親側は「バタバタバタ・・・」とアイドリング状態なので、すごい旋回音を出している事かと思います。

たしかに、耳元でヘリコプターの旋回の音を聞かされるとたまったものではありませんよね。
さらにアパッチのように対地ミサイルやナパーム弾で子どもの障害を取り除いてばかりでは、もしその子供が社会という戦地に出た際にはどうなるかわかったものではありません。

おそらく、今までは親というアパッチ級ヘリコプターの存在で、上空支援がしっかりしていましたが、その支援が届かなくなる戦地(社会)に子ども一人放り出されてしまったら、「何をしていいかわからない」、「アパッチ(親)がいないと生還できない子」になるかもしれません。さらに「戦意喪失(自己肯定感ダダ下がり)」となってしまうと目も当てられない状況に・・・。
こちらは内閣府が出している2021年の「令和2年度少子化社会に関する国際意識調査」を引用しておりますが、このヘリコプター育児が比較的多かったと思われる昭和~平成初期の世代が親になったとき、子育ての意識として、子育てに対する精神的・身体的に疲れるというマインドにも関連しているのではないかと思います。(理由としては個別アンケートに、育児に自信がないと述べる親の割合も高かった)

(引用)https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku_kyouka/dai1/siryou5.pdf
皮肉ですよね。子どものために親が障害を取り除くことが、子どもの社会での適正率を下げるかもしれないとは・・・。
元々、この「ヘリコプター育児」はアメリカで始まっているものではありますが、実は高度経済成長期の日本についても大きく当てまっていました。
戦後日本での高度成長期ではアメリカに似た文化が流行り、様々な企業が興り、海外企業も日本に誘致されてきました。
「有名企業に勤める」「公務員になる」などなど、昭和時代の小学校の文集でも子供の将来なりたい職業で見かけた事があるのではないでしょうか?この背景も、親御さんのしっかりした「躾」の賜物だったのかもしれません。
この躾こそが、今回取り上げる「ヘリコプター育児」の典型例だったりしたのかも・・・?
この「ヘリコプター育児」の概念は、親御さんが世間体を気にする真面目な人ほど、強力な「旋回音」や「障害駆逐能力」をいかんなく発揮し、より強力になってきます。つまり「高学歴親の成功体験」や「自分ができなかったこと子どもに託す」系の親御さんが陥ってしまいやすいものでもあります。
この「ヘリコプター育児」がMission Completeになった暁には、子ども達は、司令官の命令通りの事をこなす子に育っている可能性があります。そしてその子が親になったときにもこの「ヘリコプター育児」は受け継がれていくのかもしれません。
さらに社会においては「指示待ち人間より」「臨機応変タイプ」が優遇される時代でもあります。
過去、親が渡り歩いた戦地(社会)とは全く違うフィールドになっている事も理解しておく必要がありそうです。

親側としても良かれと思ってやってしまう「親側の経験」
子どもの個性や特性に応じた可能性である「個々の将来」
子どもの「個々の将来」を抑え込んでしまうと、その後の未来予想図は大きく塗り替えられてしまうかもしれません。
これからの令和時代は、我々親側のマインドチェンジが大事になってくる可能性があります。
なぜならば、
「企業の終身雇用は通用しない」
「我々の昭和の常識が通じる時代か?」
「親側は本当に子どもの個性を見抜けているのか?」
「本当に昭和時代の安定が令和時代の安定に繋がるか?」
「本当に学力に比例して子どもの幸福度は本当に高まっていくのか?」
というように不透明な未来予想図真っただ中であるからです。
さらに、なぜこの「ヘリコプター育児」が子どもの将来の弊害になるのか?科学的に検証されている報告がいくつかあります。この研究は、ヘリコプター育児が子供の不安やうつ病に関連するかを調べた研究を統計的に解析した検証になります。
すでに海外では有名な言葉である「ヘリコプター育児」。これに関する研究は過去から数多く検証されています。
この論文では38件もこのヘリコプター育児についての研究をまとめ上げて分析しています。
結果としては、ほぼすべての報告でヘリコプター育児は子供の不安や抑うつ状態を助長するというものでした。
どの程度、子どもうつや不安にリンクしているかの確証にまでは至ってはいないようですが、子供にとっては将来に尾を引くほど心に深い闇を抱え込ませたり、心の傷を負わせてしまう要因となる可能性は十分あり得るものとして認識されていますね。
また、面白い研究もありましたので引用しますが、ルーマニアからの報告からの報告です。
このヘリコプター育児が子供が成人になった後、その子供たちの恋愛感情にどういう影響をもたらすかについてです。
当然、偏りのある研究にはなります。でも面白い検証ですよね。まさか子どもの他者への恋愛感情について調べているなんて。
その背景としては、ヘリコプター育児が子どもの自己肯定感を下げてしまっているため他者への恋愛に影響を及ぼすのではないかという仮説の下で調べられているのです。つまり、過去報告では、ヘリコプター育児は子どもの自己肯定感をダダ下がりさせる要因であるという事はすでに分かっていたという事になります。
結果として、ヘリコプター育児は特に恋愛感情に対してマイナスの要因にはなっていなかったようですが、親の介入はその子が成人した後の恋愛の関係満足度の向上や夫婦間の葛藤リスクに対して間接的に良い影響を及ぼす傾向があったとの事です。
「子供の自立を支援し、自分で物事を考えさせるというアプローチが成人後の夫婦間の関係性の向上や、幸福感を高める上で重要であるだろう」と締めくくっています。
親からガンガン言われ、古き日本のような強迫的慣習に従った子育てよりも、子供の自立を促してあげる子育ての方がより子どもの幸福度を増す可能性が高そうだとは言えそうです。
最後に子供たちの超競争社会を作り出している「4000年の歴史を持つ中国」の報告で締めくくりたいと思います。
皆様のイメージ通り、かなり中国は学業における「競争状態」、「蹴落としあい」でしのぎを削っています。
そりゃあ、親の気合の入り方は日本の比ではないでしょう。いわれるまでもなくヘリコプター育児どころか重戦車育児を突き進んでいる家庭も多いかと思います。

この論文は、中国人大学生にアンケートを取って、学習環境がもたらす抑うつ状態への関連性についてを分析しています。

結果として、当然のことながら、中国でもヘリコプター育児と抑うつとの関連が明らかとなっていました。ただ、「学校の教師の介在など親以外の第三者の理解がありサポートをもらえた人は何とか調整されて先に進んできた。」という結果になっていたようです。
少なくとも、せっかく子どもが大学進学まで勝ち取ったというのに、その後の社会性に問題を抱えてしまう可能性がある。ということになりますので、長期的に子どものメンタル上でもヘリコプター育児は良くないだろうという事はよくわかります。
日本の場合に当てはめて考えてみましょう。
今の日本の学校の先生は多忙を極め、一人一人の子供の対応ができないのに加え、社会からの圧力や親側の様々なクレームやリクエストでフォローもしにくい状態になっています。つまり3年B組金八先生やGTOの鬼塚栄吉やごくせんのヤンクミなどの熱血教師も生まれにくい状態なのかもしれません。
また塾など習い事では、成果主義な所もあり、子どもの内面まで気にかけてくれるケースはほとんどないでしょう。
となると、親御さんの対応が間違ってしまうと、子どもは安全基地となるべき母艦を見失ってしまい、将来性を損なうどころか、社会に出てからの大きなハンデを持つ可能性もあります。

冒頭で述べたように、令和時代は学力だけでは子どもの将来を考えにくい状況になってきました。
「若い子には旅をさせろ」の格言ならまだしも、「子どもの障害は駆逐しろ」の感覚であった場合は子どもの社会適合の妨げになる可能性もあるという事を念頭に入れておいた方がいいかもしれませんね。
ヘリコプターペアレントに関する代表的な論文3つを紹介しましたが、
強迫的であれ、過保護であれ、過干渉であれ、本来は「子供のために・・・!」と思っている親の行動が、悲しい事に成人した後に子供にとって人生のプラスになっているかというとそうではないという事が実証されています。
日本ではこの「ヘリコプター育児」という言葉より、「過干渉」という表現が主体かと思いますが、この過干渉により子供の成長の機会を奪い、結果的に子どもの自己肯定感を下げてしまうことにも繋がりかねません。
親が先回りして子どもの道の交通整理したとしても、子供が成人して交通事故を起こしてしまっては意味がありませんしね。
まずは我々親側もこのポイントを踏まえ、過干渉にならないように気をつけねばならないですね。
①子供がすべき決断を親が行ってしまう
②子供が解決すべき問題を親が先回りして解決する
③子供が困っているときにすぐに助けてしまう
④親の失敗経験から、子供にこうだと決めつけて強制する
⑤体裁を気にして、形にはまった教育でないといけないと感じてしまう
わが子を守りたい、大成させたいという親の願いが子供の自立を阻害するという悲しい事象につなげないためにも、
我々は後ろからそっと見守って、後押しをしてあげられる存在でありたいですね。
例えるならば「子どもの後方支援の出来る安全基地としての母艦」

子どもの燃料が切れた時に、優しく包み込んであげて、また子どもが発進することができる家庭。
この発進の数が増えれば増えるほど、子どもも能動的に前を向いて選曲を判断できるようになるかもしれません。
子供が自力で困難を乗り越えたときには、その子はより一層強くなっていけるでしょうから。
そのためには空母である親が母艦を沈めないように、親御さん自身のこころのケアも大事になります。
これからの時代は「大人のココロの育自」と「子どもの育児」の両輪が重要になってくるでしょう。
その最適解にたどり着いた家庭から育った子が令和の大空を自分の意志で飛ぶ大型飛行機に成長していくのかもしれませんね。

ヘリコプター育児の問題点は下記の本にも記されています。
子どものやり抜く力(グリッド)と耐える力(レジリエンス)は自分自身で身に着けるものであるという重要性を語っています。
子どもの成功を導く言葉の中に、決して「ヘリコプター育児:親の過保護」という言葉はない・・・。
令和の時代に子どもの自立心を育むバイブルには間違いがないでしょう。



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