【幼児教育】先取り学習は本当に子どものためになっているのか?

放課後等デイサービスゼロイチ 渡邉恵里

とある親御さんから、「先取り学習」って本当に効果があるのか?という質問を受けて、
実際のところどうなのだろうと調査をしてみました。

今までは私も医学論文を主体で読んでいたもので、教育学論文を読んでみると、これはこれでまた興味深い内容があるなと感じています。

色々と論文を調査していると、ボストン大学の研究教授であるPeter Gray博士が非常にわかりやすい要約をしてくださっている報告を見つけました。2015年のコラムではありますが、今もなおこの考え方は踏襲されている様子です。
【引用】Early Academic Training Produces Long-Term Harm | Psychology Today

1970年代から続いている「幼児教育」についての研究。過去行われた大規模な研究では、

🟩早期の学力向上を目指した指導は初期にはテストスコアが上昇するが、その効果は1~3年で消失していた。

🟩遊び中心の教育を受けた子どもは、長期的には学力だけでなく、社会性や情緒面でも優れている傾向がある。

という結果が出てきていました。

ドイツの研究では、

※遊び中心の幼稚園卒園生と学問的指導中心の卒園生を比較した大規模調査では、学問的指導中心の子どもたちは4年生時点で成績(特に読解力と数学)や社会的・情緒的適応度が低下していた。

アメリカの研究では、

※貧困層の子どもを対象とした調査では、学問的指導を受けた子どもは最初は有利だったが、4年生の終わりには遊び中心の教育を受けた子どもたちが成績で上回り、学校生活でも良好な成果を示していた。

という結果になっており、「学力」における「先取り学習」は子どもたちに負担だけを強いている可能性もあるという結果になっているということです。我々親も子どもに応じた幼児教育を検討するべきかもしれません。

個人的には、我々親も子どもの感性を磨くために野山を駆け回らたり探検ごっこで体験を深めさせていったりしてあげるほうが良いのかもしれないなぁ・・・と思うところであります。「遊び」こそが一つの「幼児教育」となり、学力の基盤となる能の発達を助けているのかもしれませんね。

私も小さいときに、公文で「先取り学習」をしていまして、「皆より先に行っている私ってスゲー」と思ったのは一瞬で、直ぐに他の子達に追いつかれて「チーン」となっていたことを思い出しました。あのときは公文のプリントの数の多さに「苦悶」の表情を浮かべていた自分自身をふと思い出しました・・・。

我々も「遊び」を通じた支援を続けていけるように尽力していきたいと思います\(^o^)/

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海外での子育て事情や科学論文などから日本の育児に行かせる内容を情報共有していきます。自分の子が発達特性持ちなので、発達障害関連の話題も盛り込むかと思います。

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