自己肯定感は他者にも影響を与える?

自己肯定感。一言で言うのは簡単なんですけど、結構奥深いのが「自己肯定感」。

この言葉を聞くと、自分自身にのみ影響を与える感情かな?と思いきや、人との関連性について述べている結構興味深い論文が紹介されていました。アメリカのオレゴン大学からの発表で、自己向定感の高い人は他者とどういう関係性を築くのか?という趣旨の論文です

自己肯定感は脳内の神経系に関与していると言われているといわれています。心理学と神経系を結びつける重要な要因として研究が進められています。


今回の研究は、自己肯定感が社会や「自己再認効果」(自己の神経表象が仲間の脳に反映される現象)への影響するか調べてます。

オレゴン大学の研究者たちは、107人を19グループに分け、行動評価とfMRIスキャンで脳機能を調べています。自分自身や「普通のアメリカ人」、さらにグループの仲間について異なる形容詞を使った評価課題を行いました。

結果として、中前頭前皮質での神経反応が、自己肯定感レベルで変化。自己肯定感が高いほど、自己再認効果の正確さが低下
(他者から心理的に距離を置く傾向)することがわかったようです。

自己肯定感の高い人は、仲間からの評価よりも独立した自己評価を行う傾向がある。ということがわかったようです。他者からの評価よりも「自分軸」を持つ。その結果、他者を遠ざけ、自分なりの解釈で物事を考えるようになる。

良く言えば、他者に振り回されず自分なりのポリシーを貫き通せる人ともいえるでしょうか。
逆に悪く言えば、独りよがりで他者からは冷たい人、協調性のない人と思われるのかもしれません。

ただ、他者から「冷たい人」「独りよがりな人」という人は、ASDの方や自意識が高い方ともダブってしまうこともあります。
ASDの方はむしろ自己肯定感が低く、自己評価も低い人も含まれ、その不安から他者を遠ざけたりもするでしょう。
なかなか背景の「自己肯定感」が高い日とか低い人かの見極めはこれだけでは困難です。

この自己肯定感を持つことは定型の子も特性を持つ子も大事ですが、ここに「共感性」が加わってくるとより盤石になるかもしれません。「相手に共感を示しつつも、自分自身の進む道は自分で決める」これが決まってくれば、「評価は気にしないが、他者からは信頼を置かれる」という位置づけに自分自身を高められるかもしれません。

なかなか難しいことかもしれませんが、我々としては「自己肯定感」を高めつつも「共感性」の基盤を整えていく。
そういう支援を心がけていきたいものです。

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海外での子育て事情や科学論文などから日本の育児に行かせる内容を情報共有していきます。自分の子が発達特性持ちなので、発達障害関連の話題も盛り込むかと思います。

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