皆様、日々の子育て本当にお疲れ様です!
家事育児仕事と日々追い立てられる中、子供たちと真摯に向き合うことは大変ですが、
子供の成長が少しでもみられて来くると親としてもうれしいものがありますよね。
今この記事を書いているのは春前になるのですが、この時期は新年度として、親も子供も新たな生活環境に身を置き、
再び心機一転してチャレンジを行う準備の時期かとも思います。

子供にとって、新しいスタートに期待と希望を抱くこともあれば、新しい環境や取り組みに不安を感じることもあるかと思います。
例えば子供の保育園から幼稚園への移行、幼稚園から小学校入学や中学校・高校への進学などライフイベントの切り替わりタイミングとなるため、とりまく環境の変化から子供も色々と揺れ動く気持ちを持ちやすいかと思います。
親としては、できるだけ子供たちにはこの変化を楽しんでいってもらいたいものだと思われるのではないでしょうか?
この「期待と不安」のシーソーバランスを期待に傾けさせる支点になってくるのが「自己肯定感」となっているといわれています。
このキーワードは子育てだけではなく社会人にとっても馴染みが深い言葉になってきていますよね。
この「自己肯定感」がなぜ重要なのか?海外の論文でも色々と指摘されているので、今回はその情報共有と自己肯定感を高めるために親ができる対策について考えていってみたいと思います。
海外事例から見る自己肯定感と子供の健康
子供の自尊心の低さが健康に悪影響を及ぼすことは、過去様々な海外での研究により確認されています。(大人もそうですが)
①自己肯定感は身体的・精神的・スピリチュアルな点で重要。しかし、自己肯定感は野心、知性、忠誠心、機知、感受性、社会的洞察力など他の特性に比べて個人の中で優先順位が下げられている傾向がある。
Personality correlates of self-esteem.【Journal of Research in Personality. 2001.】
この論文は発達関連の論文で色々と引用されている報告です。自己肯定感は大事とはわかっていながらも、ほかに優先すべき感情、またもっと現実的な特性の方に目が行ってしまいがちであるようです。しかし、盲点なのは、この自己肯定感がないと他に優先したいと思っていたこれらの特性は活かせないという事が意外とあまり知られていない事です・・。
②韓国のうつ病を患っている大学生を対象として自己肯定感とうつ病の関連性について報告しています。自己肯定感の低さは社会支援を遠ざけ、鬱からの回復も遅く、外部とのコミュニケーションや共感性が低いという結果になっています。この論文では若年成人に対する積極的な社会的支援や自己肯定感を高めるサポートが重要である。
The relationship between levels of self-esteem and the development of depression in young adults with mild depressive symptoms.【Medicine. 2019;98:42.】
韓国は日本以上に成果主義や学歴主義となっており、そのストレス環境からか青年期のうつ病が社会問題となっていると聞きます。ここまでなってしまうとなかなか介入が難しい事もあり、やはりその環境を小さいうちからどう是正するかが大事になりそうです。
③ベトナムの中高生を対象とした自己肯定感と健康面のリスクについて調べた報告です。自己肯定感を下げている最も強い因子は教育ストレスや両親からの虐待となっており、子供の不安、抑うつ、自殺の増加に相関していた。
Low self-esteem and its association with anxiety, depression, and suicidal ideation in Vietnamese secondary students: a cross-sectional study.【Frontiers in Psychiatry. 2019;10.】
このベトナムの事例は韓国の事例に似ていますが、親からのアプローチや子供の置かれた環境が子供が青年期から大人にかけての自己肯定感のストッパーとして強力な作用を及ぼしてしまう事が浮き彫りになっていますね。
④ポーランドで行われた成人期の自己肯定感に影響を与える因子について調査した比較試験。自尊心と自己肯定感は社会不安を克服する因子であった。
The relationship between self-esteem and self-compassion in socially anxious【Current Psychology. 2021】
⑤直近の2022年に公開された、自己肯定感と個々人の特性についての論文をまとめている大規模レビュー。自己肯定感の高い人は低い人に比べ、学校や仕事のパフォーマンスが高く、心身の健康維持や社会ストレスの耐性が高かった。
また自己肯定感が低い群では全体として余命が短いという傾向であった。
Is high self-esteem beneficial? Revisiting a classic question. 【American Psychologist. 2022;77(1).】
特に興味深いのが最後の論文で、自己肯定感の高さはヒトの寿命の増伸にも繋がっているとしています。この背景としては自己肯定感の低さによる自殺を防止できるという観点から伸びているのではないかと考察されています。
このように子供の精神衛生上、子供の将来にも自己肯定感が重要なのは科学的にも明らかですし、親側としても自己肯定感の重要性については、体感的に「そうだ!」と感じ取りやすいかとは思います。
意外!!自己肯定感と自尊心の違いとは?
もう一つ興味深いところがあります。日本語と英語では「自己肯定感」の扱い方が微妙に違うところです。
日本語でも、自己肯定感と自尊心の違いは?といわれると、なかなか明言できないこともありますね(私も最近まではそうでした)
これらに関する言葉としては、英語と日本語を照らし合わせてみると・・
Self-compassion:自己肯定感
Self-confidence:自信(経験×自己肯定感)
Self-esteem:自尊心
と分類されています。海外の論文などでは、結構「Self-esteem」が自己肯定感と自尊心の両方を兼ねているケースで表記されていることもあります。ここで、あえて、自信は経験×自己肯定感と書いておりますが、後ほど重要な方程式となりますので頭の片隅に残しておいていただけると良いかと思います。
しかし、この自己肯定感と自尊心は微妙に異なります。では一体どこが違うのでしょうか?
自尊心は、自分自身に対して外部から評価されることによって高まる自己評価のことを指しています。
自分が他人に認められ、尊敬され、価値があると感じることで自尊心が高まります。これはこれで大事な要因の一つで、この高まりが個人の能動性や意欲を湧き立てるものにもなってきたりします。
ただし自尊心は、外部からの評価に左右されやすく、他人の評価が自分自身の価値観や自己評価に強く影響します。
一方、自己肯定感は自分自身を肯定する内面的な感覚のことを指します。
自分自身に対して自分で肯定的な評価を持ち、自分自身を認め、自己を信頼することで自己肯定感が高まります。
自己肯定感は、外部からの評価に左右されにくく、自分自身の価値観や自己評価に基づいて形成されることが多いです。
外部からの視点か内部からの視点か?という点で真逆なところが興味深いですね。
簡単に言えば、自尊心は外部からの評価に基づく自己評価であり、自己肯定感は内部からの評価に基づく自己評価であると言えます。
ただ、どちらも自己評価に関連する重要な概念であり、本来は健全な精神的健康にとって必要不可欠な要素です。
しかし、「自尊心」が強すぎることによって生じる弊害があります。それは過去記事でも取り上げていますので見てみてください。
子供の自己肯定感を高めるために親ができる5選!!
では、親が少しでも子供の自己肯定感を高めてあげるためにはどうしたらよいでしょうか?
身近なケースで「親ができる子供の自己肯定感を高める5選!」について考えてみたいと思います。
①ポジティブな比較意識を養う
子供に自分と他人を比較することを避けさせる。それをしてしまうと自尊心が間違えたほうに向き、社会に出てから躓いたときに大きなダメージを負ってしまいます。確かに競争心が子供の原動力になる事もあります。ですので、自尊心も大事な要素なのですが、自尊心と自己肯定感のシーソーが壊れて自尊心振り切ってしまうと・・。子供に生きづらさを与えるきっかけになってしまいます。
そのため、真の自己肯定感として、自分自身の良い面を見つめることを意識する工夫が必要になりそうです。
以下にいくつか外部よりも内面を意識させるための具体策を列記しますが、
子供の感性により、取捨選択して検討を頂ければ幸いです。
●比較対象を自分に切り替える(昨日の自分に負けない)
●自分の特技を書き出す
●特技を実感できないとしたら自身の趣味や興味のある事を書き出す
●自分がやりたいことを書き出していく(マインドマップや曼荼羅チャートを利用)
●今日学んだことや得た事を箇条書きでいいので書き出させる
●子供が尊敬する人に会わせて話をさせてあげる
●子供の体験を親が貴重なものだったとリマインドしてあげる
●単に子供を褒めるのではなく、良い点はなんだったのか?具体的に褒めてあげる
●結果を褒めると自尊心、過程を褒めると自己肯定感に繋がりやすい
などなどです。
他にもご家庭に応じたオリジナリティがあるかと思いますが、一番重要なのは「子供自身が自分の成長を自覚できるように仕向けてあげる」事と考えられます。これには親のサポート無くしてはなかなか難しいですので、こういう点で我ら親側も子供に寄り添っていってあげたいですね。
②積み重ねの自信
子供が日記を書く習慣があるのならば、昨日の自分に勝ったことを書き出す。腕立て伏せ10回が11回できるようになった、新しく●●を知った。アイデアをいくつ考えた!など。もし子供に日記を書く習慣がないならば、最初は箇条書きでもいいので一日の振り返りをする習慣をつけさせてあげるのも良いかもしれません。
意外と大人でも、時分の一日の振り返りができていません。子供のうちにこの習慣が身に付けば、1日の成長を実感できるだけではなく、明日をどうやって行こうか?を考えて行くきっかけになってきます。
人は自分自身の経験を積み重ねていく事で自信に繋がるところがあります。つまり、この一連の作業を行う事で、一日頑張った肯定感を高めつつも、経験値を得ていく事が大事となってきます。先ほど述べた「自信」の定義は「経験」×「自己肯定感」と繋がってくるわけですね。ドラゴンクエスト風に言えば、昨日に自分より経験値が+1になっていたらいつか絶対レベルが上がって、強い敵(自分の夢の障害)も乗り越えていける!と。
その経験値を積み重ねていき、自身が「自己成長を認知」することができれば、積み重ねた小さな自己肯定感は経験と掛け合わさり、自信に満ちた大きな自己肯定感に繋がっていきます
私も小さい頃から実践しており、今も愚直に昨日頑張ったことを昨日の自分と対比して書き出すようにしています。
何気に大事なのは、このように自己暗示をかける事で自己肯定感も高まってくるという点でもあります。

③アスリートから学ぶ自己肯定感
自己暗示をかける。独り言は自分に暗示をかける一つの自己催眠術でもあります。
「昨日あれできなかったから、これしよー」→再確認と行動の動機付け
「あれ嬉しかったよなぁ」→楽しい事に再度チャレンジ、経験値up!
「やれるさ、こないだできたんだから」→まさしく経験が自信に繋がる
声に出して挑むことで自身の気持ちのリミッターを外すこともできます。
そして、何よりも自分を励ませる最高のパートナーは自分自身。
小さい頃から習慣づけておくと、大人になっても大きな武器となることは間違いなさそうです。
動画作成の素人の時に作った作品になりお聴き苦しいところもあるかもしれませんが、アスリートの自己肯定感の高め方について科学的に考察していますので、お時間があればご覧になってください
④成功体験を積極的に作る
失敗しても挑戦し続け、成功体験を積極的に作ることが大切です。
また、失敗しても失敗を受け入れ、そこから学ぶことが重要になります。
そんなこと言っても、「ウチの子は不安が強すぎて失敗を怖がります!!」という事はよくあります。我が家も同じケースです(汗)
ココは親が「役者」になる事で徐々に変わってくるケースもあるといわれています。
どういう役者かというと、
※小さい成功体験を積み重ねさせる立役者としての親の立ち振る舞いができる役者を演じましょう!
(簡単な問題を数多く解かせて、子供から「もーいーよー、簡単!」といわせるまでやる。
その問題に少し派生した別の問題を解かせる、それが解けたらメッチャ褒めてあげましょう!
一方わからなかった場合は、「これはお前がたくさん解いたこれを使ってやるんだよ」と繋げてあげる。そして解けたら褒める。
そしてその問題を積み重ねて、「もーいーよ、簡単!」を積み重ねていく)
(スポーツならば、昨日の回数より+1回出来たらメッチャ褒める。リフティングが昨日より1回多くできたとか、縄跳びを昨日より1回多く飛べたとか、そんな些細なことでもOK。積み重ねたことが自己肯定感となり、この自己肯定感に「経験」が裏打ちされれば、確信的な「自信」に繋がる事でしょう
⑤自己決定や自立を促す
親が子どもに対して、自己決定や自立を促し、子ども自身が自分の力で問題を解決できるようにすることが大切です。
具体的には、「晩御飯何を食べたいか自分で決めて」というレベル感の低いところも範疇に入ってきます。
また、「1時間自由時間ができたよ。何がしたい?」と親から提示するのも良いかもです。
テレビは制限されるべきですが、テレビもただ流すのではなく、子供に「どういう物が見たいのか?」を考えさせるきっかけにもなるでしょう。
すぐに出てこない場合は、親側から複数の選択肢を出すことも大事です、絵本なら10冊くらい並べてどれが良いかを選ばせる!とか。
中には自分が選んだ結果が良くなかった事もあるかもしれません。
その時は、全てが終わった後に端的にやさしくフィードバックしてあげる事も大事です、
そして何よりも失敗を許容し、その失敗から●●を学べたじゃん!すっごいいい経験したね!を親側が口癖にするのが常識化するのがちょうどよいくらいです。
子供の自己肯定感の原点は「親」
最後に、一つの行動を起こしたときに、自分がどれくらい力を発揮できたのか?を振り返ってもらう事で締めくくります。
自身で内省させることが、自分自身と対峙させるきっかけとなり次のアクションをその子も打ちやすくなるはずです。
この自己肯定感のテーマはまだまだ話せばつきません・・が、それはまた別の記事でも取り上げたいと思います。
親も子も子育て期間中は「不確かで何が最適かわからない」中進んでいかねばならないですが、親が子供と二人三脚で共に歩んでくれているという事が子供の大きな自己肯定感に繋がるかと思います。
今回紹介したのはあくまで、自己肯定感を上げるための「手段」が中心でしたが、そこには子供の自己肯定感を上げてあげるための「親の存在」があってこそだと我々も念頭に置いておかねばなりませんね。
そして何よりも子供の自己肯定感の高まりが、大変な親の育児を支える「親自身の自己肯定感」にも好循環を与えてくれると信じています。

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