子供たちにとって、外遊びは大切だ~~~!!!というのは皆さまも含め、私もよく理解している所ではあります。
一方で、なんでそうなのか?と言った理由や、根拠は?とか、どの程度させればよいのか?というのはなかなか、きれいに科学的に解明されていない部分があります。その中で興味深い論文が神戸大学から報告されていましたので共有したいと思います。
今回ご紹介する論文は、下記の論文です。

Relationship between Perceived Physical Competence and Outdoor Play among Children Aged 9–12 Years-Focused Sex-Specific Differences(9~12歳児童の身体能力と外遊びの関係~性別の違いに着目した研究)
Children (Basel) 2023 Jan 10;10(1):135. doi: 10.3390/children10010135(インパクトファクター:2.078)
この論文は日本の神戸大学医学部保健学科・大学院保健学研究科のRyo Goto氏が執筆された論文です。
インパクトファクターとは学術雑誌の質を計測する指標の一つでこの値が大きい程、色々な人に引用されている科学雑誌という事になりますが、公衆衛生学関連の雑誌は分野的にもともと
昔の学童は、遅くまで外で泥んこになりながら遊んで帰ってくる・・というのが定番でありましたが、最近はゲームや動画視聴などでインドアの生活主体に変わってきていることもあり問題視されている状況でもありました。
この論文を読んでびっくりしたのは、
2020年時点の最新の統計では、世界規模で児童の運動不足が指摘されており、国際的な身体活動ガイドラインとしての1日1時間の適度で活発な運動を行うという項目を約80%の子供たちが満たしていなかったという報告が出ているという事です。Lancet Child Adolesc. Health 2020, 4, 23–35
ぶっちゃけ、これだけインドアの娯楽が多くなってしまったから多少は運動不足の子が多いだろうな・・とは思っていましたが、データで見ると運動不足とされる子がとんでもない割合で、しかも世界的に多いという事が問題視されていることが分かります。
そもそも、何故運動をすることが子供にとって良いのか?という事は、この論文でも引用を交え紹介されていますが、
①子供の健康増進(数多くあり過ぎて書ききれません)
②野外活動は子供の創造性に寄与(ルール構築や遊びのバリエーションなどを創造) Sport Soc. 2012, 15, 1–27.
③児童の運動活動が認知強化や情緒の安定に寄与 Pediatrics 2007, 119, 182–191
④子供の運動能力が高いほど、将来の青少年期における身体活動量が高い傾向 The American journal of preventive medicine, 36(4), 317-323.
⑤子供の運動能力が高いほど将来の身体的健康状態が良い傾向 Perceptual and motor skills, 114(1), 156-169
というように過去の報告からも発達特性上、良いというの明らかなようではあります。
ただ、学童における身体能力と野外活動の関連性はまだまだ不明で、特に男女の性別でこの関連性に違いがあるかが不明なため、踏み込んで研究されたようです。
どのように検証したかというと、日本国内の小児288名(女児 134 名、年齢 10.6±1.01 歳)を対象にアンケート調査を行い、それを基に評価しています。1時間以上外で遊ぶことが週に3回以上あれば活動量が「高い」と分類しています。
結果は身体能力が高い子供は、週3回以上、外で1時間以上外で遊ぶ子供たちであったとのことです。年齢別解析では運動能力が高い女児は週に3回以上外遊びしていたそうです。
色々な角度で検証はしていたようです(年齢、性別、BMI、遊び時間、スポーツクラブ参加、友達と遊ぶ)が、
単純に「週3回以上外で遊ぶ」という項目が最も強い因子だったとのことです。
意外にも運動能力と外遊びは男女ともに相関するかな。。と私自身想像していたのですが、女児だけで差があったようです。
本論文で考察されていたのは、男女児童のスポーツテストの結果から考察している論文J. Med. Sci. Sport. 2019, 29, 1013–1021を引用しており、身体能力の向上が女児における外遊び促進に寄与したのではないかとしている。男子もそれに当てはまりそうだが、引用論文も今回の論文も男子は直接の運動がそのまま身体能力向上に繋がるという結果になっている。
という事は、女児の場合は「イメージ先行」でそれが継続的な運動に影響するのかもしれないという事になります。
この論文で筆者は次のように考察を深めています。
幼少期から思春期にかけては身体能力や実際の運動能力も男子に比べて女子の方が低いため、特に女子には介入の余地がある。したがって、体育の授業で身体能力が改善されれば、自発的な身体活動である屋外遊びが増加する可能性がある。この効果は、女子でより大きい可能性がある
Children | Free Full-Text | Relationship between Perceived Physical Competence and Outdoor Play among Children Aged 9–12 Years-Focused Sex-Specific Differences (mdpi.com)
この点は意外にも実生活にも応用できそうなポイントでもあるかなと感じています。基本的に女児は外遊びよりもごっこ遊びやインドアで遊びがちな傾向があります。しかも体育は苦手とイメージ的に結びつけ運動習慣を避ける傾向もそこそこあるように感じています(根拠はないけど)。おそらくですが、女児の運動に対する苦手イメージが能動的な運動を阻害しているケースがあり、そこに第三者が介入することで、後々に健康的な活動を行う習慣を自身に取り込むことも可能なんじゃないのかなと思っています。
ここからは私の勝手な憶測ですが、幼児期は親御さんの積極的な介入で外遊びの習慣をつけておくと後々の女児の運動習慣にも寄与する(特に男児以上に)とも考えられます。女児の方が男児よりも「イメージ先行」なのかもしれませんね。
それは男女の脳の構造上の違いなのか?それとも、もともと男児の方が身体能力が高いので体を動かすイメージを自分で持ちやすいだけなのか?そこはちょっとわかりませんが、今思えば、女性の方がトレンドの把握や流行に敏感であったり、アイデアや発想など特有のスキルを持っているような気がします。ひょっとすると女性の方がイメージ先行で物事を考える傾向もあるかもしれません。
となると、最初の運動習慣のイメージが悪いままだと、外遊びなど体を動かす習慣から避けていた可能性もあります。
「女児がもともと公園遊びよりもおままごとの方が好きだ!」という常識は覆るかもしれません。
幼児期は親の積極介入、児童期は体育などのカリキュラムで先生からの上手なフィードバックで女性の運動習慣も変わってくるかもしれませんね。
早速うちも身体を動かすイメージを強化させつつ、外遊びの機会を増やしていこうと思います。特に発達特性を持っている子は運動をベースにすることで症状改善などの可能性も指摘されています。頑張ってフォローしていきたいです。

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