ゼロイチでは体感型SST(ソーシャルスキルトレーニング)を導入しています。
このコンセプトは、運動を通して、仲間との協調性を磨く事によりコミュニケーションや自己肯定感、並びにリーダーシップを育むことを目的としています。心理面と運動面の2軸で子どもたちのケアにあたっています(^o^)
この日は発達を促す一環で長縄跳びにチャレンジ!

長縄跳びを始め、跳躍運動には発達に対する影響の論文は数多く出ています。

2011年に体育学研究で報告された内容では、母数は少ないですが、発達特性のある子ども5名を対象に、長縄跳びの跳躍動作の発達段階を分析しています。結果、跳躍動作は5つのレベルに分類され、各段階に応じた指導法の有効性が示唆されています
長縄跳びが近づく方向に身体を向ける
足元に縄が来たときに片足(両足)を上げる
着地をして次の態勢移行
他者と協調して次の跳躍
というように一つの動作で完結せずに、他者との協調動作、連続動作、距離感や空間の把握など複数の動作が相まっています。
まだまだこの論文では仮説主体のところが多いですが、実感として、子どもたちの協調性にも寄与していると感じます。
また興味深い報告もあります。

この研究では発達特性を持つ4人に対して長縄跳びの参加頻度を改善するための指導方法についての研究です。
長縄跳びのスピードをゆっくりからどんどん早くしていくと言った段階別のレベルで導入することにより、
全体的に跳躍回数が増加していったというものになります。
一方で、飛べなかった子に対する個人攻撃などが見られることもあったことから、その対応が重要視されています。
そこで私達が取り入れたのが、回数を更新するたびに、子どもたち同士にハイタッチを指せる手法です。
また、支援員が「みんなすごい!」「力を合わせた結果だね」「駄目でも大丈夫、クリアしていってるよ」とポジティブな声をかけつつ、うまく言ったときには子どもたちにハイタッチをさせる。それによって連帯感も高まり、ポジティブな声かけもみられたりしました。
過去の報告を踏まえ、それを実地でうまく補足をしていく。これが支援の重要なポイントになりそうです。

海外でも9~10歳の子どもの認知機能に対する長縄跳びの影響を調べた報告もアップデートされています。
高強度の長縄跳び運動および中強度持続長縄跳び運動のどちらがよいかを調査することを目的。
小学校4年生の2クラスから合計60人の児童を研究対象としています。
結論としてはどちらも良い結果を子どもの作業記憶と実行制御機能の効率化、行動抑制制御能を向上させるという結果になっています。しかし、高強度のインターバル型長縄跳び(1分練習して1分休む)は意識の方向づけの効率化にも有用とされています。注意力が弱いお子さん(特にADHDタイプ)には有用なのかもしれません。
跳躍活動が子どものワーキングメモリーにも影響を及ぼすことから、体感型SSTを取り入れたあとの学習というのも一つの手かなと感じている今日このごろです(^o^)
子どもの認知を高めつつ、本人の協調運動能力、他者との協調性を磨ける可能性のある長縄跳び。
今後の体感型SSTでも積極的に取り入れていきたいものです!
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