2023年に入り、日本にも資源高騰や円安などの向かい風の影響もあり、食品や資源などのみならず、電気代などインフラに関わるコストも上がってしまっています。各家庭でも家計のやりくりが大変なのではないでしょうか?しかしそれは世界中でも同じで、生活における節約を余儀なくされている現状です。その中で特に子供にかかるコストを圧縮する取り組みが海外のニュースで取り上げられていたので共有します。
今回紹介するテーマはイギリスのニュース雑誌「The Sun」からの引用です。(ゴシップ誌ですけどね💦)
Nine ways to save money on parenting over half-term holidays(半学期休暇中の子育て節約9の方法)
https://www.thesun.co.uk/money/21355037/nine-ways-save-money-parenting/
この記事の冒頭から、「家族を養う事は、決して安いものではない」というくだりで始まっています。
確かに子供がいる家庭にとっては、子供の教育費用そのものが削りにくい「固定費」のようなものです。
それに子供の将来のために投資しなければならないと考えてしまう事からも、ないがしろにしにくい「コスト」でもあります。
イギリスでも日本同様に日常必需品の価格上昇が問題となっており、家庭に対して強いストレスを与えていることが問題視されてます。イギリスの平均年収は大体450万~480万(2020年)位の中で、生活のやりくりをしている世帯が多いのですが、その中でも最もインパクトの大きい固定費として取り上げられていたのが、イギリスで子供一人を18歳まで成長させるのにかかるコストは大体15万8000ポンド(日本円で2500万円)という事実です。
子供にかかるランニングコストは生活の中でもかなり大きく感じます。それで、今回この雑誌はテーマとして、
「日々の生活のために、子供にかかる教育水準を下げずに無駄なコストを削減する9の方法」を取り上げています。
その前に、日本はどういう状況なのか、まとめてみましたので下記も参考に・・
・1年就労している方の平均年収は437万円(厚生労働省2020年実態調査)
・子供一人を20歳まで成育させるまでにかかる費用は2100~3000万の幅
(子供を私立の小中高に行かせるか?大学に通わせるかどうか?などで大きなブレ幅はあり)
これで見ると、イギリスの方が多少はマシなのかも・・?と思うかもしれませんね・・。日本はここ10年以上、賃金が上がっていません。イギリスも下がっていますが、日本の方が低いという状況でさらに物価高ですから、日本の方が無理ゲー感はありそうです。
では各論に入ります。
イギリスの大衆ニュース紙がお勧めしている子供が学校が休みの期間における、海外の9つの節約方法の紹介です。
①とにかくレンタル
自転車、洋服、楽器などありとあらゆるものをレンタルして逃げ切る!!商品によっては前払いして買うよりも割安に住むケースがあります。さらに「子供が飽きっぽい」のは万国共通。親を泣かせる大きなポイントです。さらに「壊す」事も日常茶飯事です。
そのため、レンタルであれば商品保障も入っているため万が一に備えて簡単に商品を交換したり返却したりできるサービスの徹底利用を推奨しています。これは日本でも行われている・・と思いきや、日本の場合は七五三やスーツや正装などのケースが大半です。イギリスで勧めているのはもっと身近な日常服のレンタルを対象としています。
①日常服レンタル:The Little Loop(月額:2800円くらい 159円/ポンドで計算)
https://thelittleloop.com/shop
日本でもいくつか子供服レンタル専門のお店があります
中には新品のブランドなどを対象としているので日本の場合はちょっと割高で3000円オーバーになっているケースもあります。
ですが、当然のことながら買ってすぐに使わなくなるよりもはるかにコスパは良さげな気もしますね
この他には、自転車レンタルなども紹介されています。
②自転車レンタル:Bikeclub.com(4.49ポンド/月 月額700円くらい 159円/ポンドで計算)
やっす!正直、使いたいなと思ったくらいです!日本の場合は観光者用のレンタサイクルやセブンイレブンなどのシェアサイクルなどはありますが、生活に密着した個人単位の貸し出しはあまりサービスとしてみた事がないですので、これはこれですごく助かるサービスですね。しかも月額700円くらいってのは相当安いです。幼児期や学童期はすぐにサイズが変わってしまうので非常にありがたい。どこかサービス始めないかな?
また楽器のレンタルサービスもあります。
③Normans.co.uk(楽器によってピンキリ)
日本では島村楽器などがレンタルを行ってはいますが、大体相場は日本とイギリスは同じくらいです。ただしラインナップが全く違う。取り扱い楽器のレパートリーがイギリスの方が圧倒的に多いです。さすが音楽の国・。、
また島村ではピアノの貸し出しはさすがに行っていないようでした。イギリスでは値が張りますがピアノの貸し出しも・・。また電子ピアノの取り扱いもあるので、フレキシブルにコストに見合った楽器を選べそうです。
これだけ見ても、レンタルやサブスクは意外と子供よりも日本よりもイギリスの方に軍配が上がりそうな気がします。
②レンタルだけじゃない!中古品を買え!
エコでもありお財布にも優しい。その観点で中古品購入を勧めています。
日本だと、メルカリとか楽天市場とAMAZONなどがあったりするかと思いますが、イギリスの場合は・・
- Vinted:主にファッション品の売買※日本は未展開、買おうと思えば買えそうだけど、送料怖いw
- Depop:主にファッション品の売買(子供洋服もアリ)※ほぼイギリス主体
- Facebook Marketplace:有名ですが、最近になってちらほら日本でも利用が広がっています。おそらく主に日本在住外国人か?
- WhatsApp:現在はMetaの傘下、世界で10億人が使うチャットアプリ(チャット売買)
あとはもっと質素に、バザーやチャリティーなども利活用しようと述べています。もしこれらの選択肢がない場合は、持ち前(?)のコミュニケーション能力を使って近所の組合などや協会に中古品がないか呼びかけようと言っています。背に腹は代えられぬ。。というやつでしょうか?
あとは使わなくなったものは自身で転売することによって利益を上げようとのことです。日本に似てるっちゃ似てますね
③セールで買いだめで逃げ切れ!
ここからは生活力がより一層試されます!スーパーやその他の店で制服や学校必需品のセールが始まる時期を把握しておくことと、子供の次の学期や年度の先読みをして子供のサイズに合ったものの型落ち品を狙う事を推奨しています。
- Asda:2/13~2/27まで子供服がなんと10% OFF!次回のイベントは4月に開催だ!
- Sainsbury’s:年に数回、子供服が25%オフ!この機を逃すな!
- Marks & Spencer:通常7月上旬に学校の制服が20%オフ!ここが勝負どころだ!
もはやスーパーのチラシの特売日を教えてくれるような感覚で触れこんでいます。ただ確かにこの機に年度を通じて使うアイテムをゲットしておくのは家計をマネジメントする上では重要ですね。制服とか本当に高いですから!!!
④子供にたくさん食べさせるならこれだ!!
外食費もかさみます。特に子供はたくさん食べるお年頃であったならばなおの事。
こんなシステムがあるのは知りませんでしたが、ある一定金額を食べると食べ放題というシステムがあるようです。
Asda cafes:子供の場合、毎日、終日1ポンド(日本円159円くらい)で食事をしたら無料でその日は食べ放題!!
え・・?これが食べ放題・・?大人でも利用したいんですが・・、たった150円くらいの食事で上記メニューに加え他にも食べ放題ってすさまじくないですか?ただ、食べすぎ、栄養の偏りには注意したいところではあります。あと、加工品だらけですので、子供の健康上食べ過ぎはちょっと・・。
⑤図書館の利用は万国共通の節約技!
これはもう有名な技ですね。うちのコも絵本をよく借りにいっていました・・・が!!!
イギリスの制度は日本をさらに上回っています。
何とイギリスの場合、一度に20冊まで借りれて通常は3週間は借りれるようです。そして都内のどこの図書館でも返却でき、オンラインアカウントで更新することもできるようです。
日本の場合は通常は6~10冊までで大体1~2週間の返却です。まぁ、十分と言えば十分ではあるのですが・・。後返却も場所によってフレキシブルに対応はしてくれます。ただイギリス程ではないのは確かなようではあります。
イギリスでは本の紛失には罰則規定がありますが、多くの図書館では子供が返却を多少延滞した程度では料金を請求しないようにしているようです。さすが紳士の国ですね。そして、図書館では乳幼児向けのスペースやイベントも用意しているのだとか。日本にもあるのかもしれませんが、良い取り組みですよね。
⑥育児クラブに登録して特典をゲットだ!
ママ専用のオンラインサービスに登録すると、育児に関するニュースやポイント還元や無料ギフトなどの特典を受けられるようです。
Boots Parenting Club:登録したらベビーローションを無料でゲットできたり、赤ちゃんの成長段階に応じてギフトをもらえる。さらに専門家による育児アドバイスを得られるのに加えt、ママ用にデイリーケアローションやシャンプーをプレゼント
Asda Baby Club:発育状態に応じた結構詳しい具体的な育児情報を提供してますね
Emma’s Diary:製品、サンプルなどの優先無料体験
Bounty:子供用の離乳食などの無料パッケージなど提供
やはり妊婦さんやママに対して色々な企業取り組みがされていますね。さすが紳士の国といったところでしょうか?
日本もいくつかありますね。ミルクを販売している明治の「ほほえみクラブ」とか福利厚生サービスなど・・。しかしもっとダイレクトにママにサービスする事業も出てきてほしいものですね。
最近はNPO法人や有志の会などの活動が出てきており、ママの資格講座や行政の取り組みなども出てきています。より充実したものにもしてもらいたいものですよね。
⑦政府からの給付金
イギリスでは出産時に特定の給付金を受けている場合、追加で費用負担のための一時金として500ポンド(約8万円)程支給されるケースがあるとのことです。Sure Start Maternity Grantという政府の特定の取り組みのようです。
【各種条件】
①第一子を妊娠している、または多胎妊娠(双子など)で、すでに子供がいるケース
②自身かパートナーが、すでに特定の給付金を受けている(児童手当など)
③出産予定日の11週間以内、または出産後6カ月以内に助成金を請求する必要がある
④スコットランドは除く(代わりに別のプログラムがある:Pregnancy and Baby Payment)
⑤助成金を返済する必要はなく、他の給付金や税額控除にも影響しない
要は一時金のようですが、追加の一時金としてはもうちょっとあったもいいような気も・・。ただ日本でいま議論されている児童手当の所得上限撤廃などよりかは具体的な方法かもしれませんが・・。
これとは別に、Healthy Start schemeというものもあり、低所得世帯(月収408ポンド以下)が食品を購入するための費用を支援する仕組みがあるようです。具体的には牛乳や果物などの食品購入の支援や無料のビタミン剤を手配などです。
⑧子供の無料アクティビティ
住んでいる地区にはいくつか子供向けの無料アクティビティがあるようです。無料開放している博物館や森林ウォーキングや、恐竜の化石探しやハリーポッターのトレイルなど。色々と用意して下記のサイトで紹介しているようです。
・Visitengland.com:要は・・イングランドの観光サイトっぽいw
・dayoutwiththekids:子供用の遊び場サイト!
またイングランドでは探検アプリなども開発されており、無料配布してFacebookなどと連携してイベント情報とリンクさせていたりするようですね。子供のアクティビティはこだわり過ぎればすさまじいコストがかかります。無料でも遊び方を工夫すれば、低コストで最大限の楽しみを得ることができる。そういう教育をする点でもいいのかもしれませんね
⑨金利上昇局面での銀行口座の最大活用
イギリスは2023年の2月に政策金利を4%まで引き上げています。それに伴いこの金利上昇がしばらく続くのではないかという観測も出てきています。その中で一般人としては将来のたくわえの一環で銀行口座の利活用を提示しています。特定の銀行は12~20歳までの子供の銀行口座における預金利率を3.9%程に設定したとされています。
またイギリスの銀行協会の調べでは、この世代の休眠口座や引き出しされていない口座もかなりあると指摘しています。それを集約して利率の高い銀行に移すことも有用ではないかと述べています。
【サマリー】意外と手厚そうなイギリスの現状
いかがでしたでしょうか?
物価上昇での生活苦は万国共通。さらに子供にかかるコストも万国共通。
その中での家計のやりくりの工夫も結構似ていましたね。
たまには海外の大衆紙などに目を通すのも面白いものです。家庭を支えるパパママの家計の奮闘ぶりは全世界共通の問題だという事をこのように具体的に認識できたことは大きいです。普段、我々も世界に比べて負けていないくらい頑張ってますよ!!
ですが、厳密に見てみると、日本よりイギリスの方が制度やサービスが若干優れているような気もします。特に政府の関りに関しての部分は、イギリスの8万円の給付金など具体的な政策に踏み入ってますが、日本は相当出遅れている。日本も児童手当くらいのレベルではなく、先日のハンガリーの取り組みでも述べたように、異次元の取り組みを進めて行ってもらいたいものではあります。頑張れ!!日本政府!!
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