今年に入って、一番ビビった子育て支援です。色々オリジナリティが活きる政策が各行政単位で発表になりつつありますね。
国の子育て支援対策がなかなか追いつかない中で、しびれを切らして行政単位で独自の子育て支援を立ち上げている現状かと思います。
その中でも一際、オリジナリティのある支援を行う予定であるのが・・東京都足立区です。
結論から述べると、年収800万円以下の世帯を対象として、大学生向けの奨学金を貸与型から給付型に切り替えるとの事です。
そして最大3600万円まで奨学金の給付を行い、返済は不要であるという制度を公開しました。
今までは奨学金を受けて大学卒業後は借金として返済しなければいけなかったところを給付型にして大学生のサポートを行うというわけですから苦学生にとっては非常にありがたいシステムかと思います。
大学卒業して、心機一転頑張ろうと思っても、奨学金という借金を抱えながらの新生活になってしまうとテンションも下がるでしょうしね。
ただし各種条件があるので注意です。(詳しくは足立区の奨学生募集ページをどうぞ)
①3600万円はあくまで上限
一般的な大学に対する奨学金給付は下記の通り
●医歯系以外の大学で、入学金38万円、授業料を年198万円支給→4年で830万円支給、6年ならば約1200万程支給
●私立医歯系大学では入学金162万円、授業料を年573万円支給→4年で3600万円支給
私立の医学部では高所得者層しか通学できないのが通例でしたが、選ばれれば子供たちもチャレンジすることも可能になります。
それ以外にも医歯薬以外でもここまでサポートしてもらえるならば世帯の負担は大幅に軽減されると共に、子供たちも借金生活からのスタートをしなくても済みそうです。
②公募時期と定員が決まっている
要注意なのは定員が40名と決まっている事です。
また公募期間ですが、
(第一期)令和5年1月4日から2月28日までに20名
(第二期)令和5年3月1日から4月14日までに20名
このブログ執筆時は2/22ですので、もう第一期は終わりかけ・・(笑)
ただしこの点は流動的かもしれませんので詳しくは足立区に確認されてください
③応募資格
大学や短期大学に在籍である事や、高等専門学校(4年次から5年次)、専修学校(修行年限2年以上の専門課程)であることが条件です。すでに大学に入り奨学金を受けている方は給付型に切り替わるのでしょう。また高等専門学校の場合などは進学先がまだ未確定でもOKとなっているようです。
④高校3年間での成績が3年間平均4.0以上
ある一定の成績優秀者に限られるという事になります。平均4.0なのでクリアはしやすいかもしれません。ただ浪人生も対象としてくれるようで、その際は高校在籍時の成績を参照するようです。
⑤世帯年収が基準以下である事
目安としては4人世帯で年収800万円みまんということになります
⑥奨学金を希望する者が申請日において3年以上足立区内の居住している事
奨学生本人の居住用県ではなく、世帯として3年以上在籍することを対象としているようです。
以上の条件を満たしている方を対象に書類選考と面接と審議を経て決定するようですね。
以上の条件をクリアした場合、倍率は高いのかもしれませんが、チャレンジをする機会は得られそうです。
なぜここまで踏み込んだ政策を実施するのかについては、区長の近藤弥生氏が述べるところ、
「これまでは児童生徒を対象に子どもの貧困対策に力を入れてきたが、大学生や入学予定者への支援も充実させていく。足立区の子どもが夢や希望を実現できるよう、給付をしていきたい」
「奨学金だけではなく、それだけがあっても夢が実現できるわけではないので、そこに向かっていく細かいプロセスを1つ1つ丁寧に拾っていって、夢の実現できる足立区という名実ともにそういう自治体にしていきたい」
https://news.yahoo.co.jp/articles/6bae64e025984c3a7cf25b3cb13daeb200fc6ce7?page=2
と語っておられます。
また足立区は大学進学率は45.7%であり、23区内でも下から2番目の低さとなっているようで、教育水準を高めたいという狙いと区のイメージアップを図りたい意向のようですね。
この方針から低所得だが子供には大学進学を行わせ上げたいという世帯も増えてくる見込みがありそうですね。この制度をなるべく長く、新しく転入した世帯に対しても長い目で提供できる制度として維持していってもらいたいものです。
財源は、特別区競馬組合からの分配金等をあてる予定で、現行の育英資金制度でも分配金を投入する方針。
この他、対象となる奨学金の借入総額の半額(上限100万円)を助成する足立区奨学金返済支援助成制度も拡充。
国の給付型奨学金利用者も、返済支援助成の対象として認定するようです。
これこそが異次元の少子化対策でもあり、何も行動を起こしきれない国に対する行政からのアンチテーゼかと感じるのは私だけでしょうか?いっその事、国は最低限の事だけして、行政単位での弱点を補おうとする取り組みに対して積極的な予算を組むことを徹底して、行政単位にちゃんと落とし込んでほしいですね。(地域格差が出るから本当は望ましくないですが・・)
ハンガリーやフランスなど、世界では覚悟を持って少子化対策に立ち向かっています。その事例も別記事で紹介しておりますのでお時間がある時にどうぞ。
コメント