【科学論文】まさかの日本の食材が高齢者の認知機能を救う?

人生をよりよく長生きしたいな・・・。色々調べているけど大変だよ。身近に健康で長生きできる秘訣ってないのかなぁ?

いやー人生をより良く長生きしていくって、永遠のテーマだよね。この点は昔から議論されている内容だよね。

人生をいかにして有意義に過ごすか?これは永遠のテーマかと思います。
特に人生で成功した人は、より長く、より健康に人生を謳歌したいと思うことでしょう。

世界的にも有名な、アマゾン創始者の「ジェフ・ベゾス」氏やグーグル創始者の「ラリー・ペイジ」氏なども不老不死に憧れ、「不老不死ビジネス」に私財を投資しているという話でも有名ですね。

また、過去にも、中国の「秦の始皇帝」が不老不死研究家の「徐福」に大金をもたせ、当時の日本「倭国」に渡らせた話でも有名な話ですね。(その徐福は行方不明になってしまいますが・・・。まさかの持ち逃げ?)

この不老不死もあくまで、認知症にならずに心身ともに健康であることが前提になります。
不老不死になれたとしても、認知症になったらなんにも意味がないですからね。

話を元に戻して、不老不死まではいかないまでも、人生を有意義に過ごす貯めには、「認知症」にならないことが重要と言えます。日本における認知症の疫学としては、65歳以上の認知症患者数は2020年で約600万人、それが2025年には675万人、そして2040年には65歳以上では約半数が認知症になる可能性が指摘されています
【引用】令和5年全国将来推計人口値を用いた全国認知症推計(全国版)-65歳以上の高齢者層がピークとなる2040年には46.3%が認知症の可能性、共生社会の実現を- |ニッセイ基礎研究所 (nli-research.co.jp)

こんな未来予想図・・・辛すぎる。

そのために、我々も1日でも長く認知症にならずに健康的な日々を過ごすことがいかに大事かということなります。

認知症研究は日々進んできており、医薬品開発もそうですし、運動をすることが重要であったり、脳に刺激を与えたり・・・。など色々なアプローチが存在し、そこにエビデンス(根拠)を作り出しています。

アプローチは多彩であり、色々な角度で研究されているからこそ、非常に興味深い報告が出てきましたので共有です。
しかもそれが日本から出てきましたのでおったまげです!

その研究は、東北大学の加齢医学研究所からの報告で「Nutrients 2023年10月号:インパクトファクター5.9(2023)」に゙掲載されていました。

この論文は個人的にすごく大きな学びになった報告です。しかも純国産の材料で、さらに日本からの論文!正しく注目に値しますね。

【原文】Benefits of Wasabi Supplements with 6-MSITC (6-Methylsulfinyl Hexyl Isothiocyanate) on Memory Functioning in Healthy Adults Aged 60 Years and Older: Evidence from a Double-Blinded Randomized Controlled Trial
【和文】6-MSITC(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート)含有わさびサプリメントの60歳以上の健康成人における記憶機能への有益性:二重盲検ランダム化比較試験からのエビデンス
【雑誌】Nutrients 2023, 15(21), 4608;(東北大学加齢医学研究所:日本)
【URL】https://www.mdpi.com/2072-6643/15/21/4608

この研究も、高齢者の認知機能の低下を問題視しており、「食」の観点で研究を進めています。
日本以外の研究でも、認知機能において、香辛料やハーブが認知機能に良い影響を与えることが示されています。

東北大学が着目した食材は・・・なんと「わさび」

この、日本の伝統的な香辛料である「わさび」が認知機能に及ぼすポジティブな影響について調べています。

な・・・なんでまたわさびなんかを研究したんだい?

実は、わさびに関する研究はかなり前から行われているんだよね

わさびの主な生理活性化合物は6-MSITC(6メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート)と呼ばれるもので、この物質には抗酸化作用と抗炎症作用がある事がわかっています。(Phytochemistry 2003, 62, 733–739、Med. 2010, 7, 459–464. J. Nutr. Sci. Vitaminol. 2012, 58, 303–307)

この6-MSITCはヒトの認知機能に良い影響を与えると期待されているんだよ
(中高年の認知機能に対する有益な効果が示されている)

え?じゃあ今の高齢者においても認知機能改善に寄与するの?

でも、まだしっかりとした比較試験で、この6-MSITCが高齢者の認知機能改善に寄与するかどうかまでは検証されていなかったんだ。

そこで、この研究では、12週間の6-MSITC介入により72名の高齢者の認知機能が向上するかどうかをプラセボ群と比較して検討しています。仙台の地元紙に広告を募集して参加者を募り、同意を取得して、今までの病歴や健康状態を自己申告をしてもらって、わさびエキス粉末100mg入りのカプセルとわさびが入っていないカプセルを飲んでもらって検証しています。
小規模とはいえ、結構手の込んだことにチャレンジなさってますね。

そして12週後の高齢者の認知機能(処理速度、注意、短期記憶、作業記憶、エピソード記憶、実行機能、視覚-空間能力)を測定して最初の認知機能と比較すると行ったものになっています。

結果として、6-MSITCを服用していた群では、プラセボ群と比較して、「ワーキングメモリー:作業記憶」と「エピソードメモリー:エピソード記憶」のパフォーマンスに有意な改善がみられた。という結果になっています。

Wow!じゃあ、わさびで認知機能が飛躍的に向上したということかい?

でも、作業記憶とエピソード記憶のみ改善したという結果になっていて、他の認知領域では有意な改善は認められなかったみたいなんだよね

今回の研究では、全ての認知機能が改善したわけではないですが、「ワーキングメモリー:作業記憶」「エピソードメモリー:エピソード記憶」という点では、健康な高齢者においては、12週時点で上記の認知機能が改善が見られたという結果となっています。

なぜわさびにこういう効果があるのかについては、6-MSITCは海馬の酸化物質と炎症レベルを低下させる事がわかっています。そして、酸化物質と炎症が減少することで、脳への悪影響を減らし、海馬における脳活動や神経可塑性などの神経機能が高メルのではないかという考察がされています。

海馬は記憶機能に重要とされていますので、12週間の6-MSITC摂取はワーキングメモリー:作業記憶」と「エピソードメモリー:エピソード記憶」の点で高齢者の記憶機能を高めるというのがわかったわけですね。

全てが全ての認知機能の改善を見込めたわけでは無いですが、日々の食卓で美味しい食事をわさびを用いて日常生活を送る分にはハードルは低いかもしれないね

ただし、まだまだわかっていないこともあります。

※12週時点ではよかったが、それ以降でも認知機能は維持できているのだろうか?
※わさびが本当に抗酸化作用と抗炎症効果を示すことができていたのか?(確認ができない)
※より多くの検証で再現性が確認できるか?
※きちんと背景をすべて揃えたランダマイズ試験ではない
※若年者からの使用でも予防効果はあるか?
※軽度認知症の方々にもプラスの作用はあるのか?

などなどはわかっていないところがありますが、まずは身近な食材で、認知機能を改善できる可能性が見えたことは非常に興味深いところであります。

わさび苦手だったけど、わさびを使った調理のレパートリーを考えてみようかな?

いいね!私はささみのわさび焼きとか刺し身はわさび必須!からやってみようかな。

試験でのわさびの量は「0.8mgの6-MSITC」となっていますが、日常生活で摂る分では賄える量かと思います。特段大きな問題は怒らない日常生活アプローチになるので、意識して見るだけでも健康増進に繋がるかもしれませんね。

何よりも身近な食材で、日本のオリジナル食材で健康を増進できる可能性がわかったという所は、今後のわさび人気に大いなる影響をきたすのではないでしょうか?

素敵な研究結果に感謝です!皆様もよいわさびライフを!

さらに日本のご当地の本わさびを「ふるさと納税」で検討されてみてはいかがでしょうか?(売り切れてたらごめん)

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海外での子育て事情や科学論文などから日本の育児に行かせる内容を情報共有していきます。自分の子が発達特性持ちなので、発達障害関連の話題も盛り込むかと思います。

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