日本政府(岸田政権)が「異次元の少子化対策」と銘打ってしばらく経ちますね・・。
いまだに具体化は進んでおらず、2023年6月?の骨太方針までに子育て予算倍増に向けた取り組みを行うと発表しています。
そもそも少子化の問題は数十年にわたり議論をされており、ある程度問題点も見えているのですが、改善傾向はみられず毎年最低出生率を更新・・。そんな土壇場の中、2023年6月まで具体案がでてないって・・。
政府が異次元の少子化対策として取り組むといっているのに完全具体化の絵が見えていないとは一体どういうことなのだろうか・・?まさに別の意味で異次元的な進行の遅さ・・と感じてしまうところがあります。
1970年代は200万人を超えていた出生数。それが2022年1-11月で73万程まで半分以下に減少。
さらに過去10年の平均減少率は2.5%程なので倍近く子供が減少している。
先の展望も暗く、今のままだと2022年、最低を記録した出生数81.1万人をさらに下回って70万人台突入も時間の問題です。
いったいなぜそうなってしまったのか?少子化問題の大本は一体何なのか?様々な文献や書籍から考えてみたいと思います。
日本の少子化を取り上げている各種論文や書籍においては、少子化対策の最も大きな原因として、「政府と国民の意識の大幅なズレ」だと述べているケースがやはり多いですね。
今回の記事は、色々ある少子化対策の原因のうち特に大きな要因とされている、
「昭和と現在との結婚間の違い」にフォーカスしてお届けします。
※その他の要因は別記事で記載するようにいたします(長くなっちゃうので‥(;’∀’))
結婚適齢期における「国民」と「政府」の見解のズレ(結婚観編)
このずれを具体的に示すために、政府側のマインド、昭和時代の国民のマインド、平成・令和時代のマインドと分けて考えてみたいと思います。例えばですので、どれくらいズレているのかの一例として、ふわっと見て頂ければと思います。
【政府】キャリア支援します!子育て中のリスキニングも支援します!育児休暇取得もしやすくします!!
また、児童手当も所得制限を撤廃します!だから結婚して育児を頑張ってください。
とは言っていても・・このキャリア支援の取り組みはありがたいですが、これが結婚観そのものの根本解決なのでしょうか?
(時代背景的なマインド)
【昭和の国民】親もうるさいし、世間の目もあるし、女性なら職もないから今のうちに嫁がないとね・・。
【平成・令和国民】どの仕事も選べるし、仕事はゆるゆる頑張る。一人が楽だし恋愛も面倒だし、30代以降考えるよ
と、すべてではありませんが、結婚を希望されない方々の意見の平均値を取ったらこんな感じでしょうか?
おそらく、今の政府のアプローチは、昭和時代にもフィットしそうにないですし、令和時代も・・キャリア支援はあればありがたい制度だけど、決定的になぜ若者たちが結婚をしないのか?問題を解決するような政策とはとても思えない・・という気がします。
さらに結婚観は昭和時代と2020年代以降は大きく様変わりをしています。というかもはや平成の時代から大きく変わっていましたね。
結婚について親からガミガミ言われることも少なく、お見合いも少なくなり、一人暮らしで自由に暮らせる機会も増えた。
さらには、これだけネットや趣味や娯楽が選べるようになると独自の時間を費やしたくなるのも仕方ないですね。
昭和時代であれば、お見合い結婚や許嫁などの文化もありましたし、特に女性の方は就労も限定的でしたので、当時は色々な目から逃れる一環でも、「結婚が目的」にすり替わっているというような状況であったかもしれません。それに、アナログ時代でもありましたので、それなりに出会いもあり、時代のムード的にも「結婚」を演出して国民をその気にさせるといったような背景もあったような気がします。
一方で、今の時代は、コロナ禍の影響は確かに大きかったですが、デジタルが発達した功罪もありますが、リアルの出会いが減ってきている状況です。
新生活、「自然な出会い」はなかった!20~30 代男女の 7 割が「出会いなし」!(O-net 2021年調査)
さらに趣味や自由度が飛躍的に向上し一人暮らしをして独自のペースで生きていくという多様性が容認されてきています。子供が巣立って一人暮らしになってしまい、親側もお見合いを推進する機会も減ってきています(そもそも親世代も繋がりの濃い付き合いが減ってきた)。となると若者によっては自室と職場の往復で孤立無縁の状況である可能性もありそうです。
上記の説を裏付けるデータも国側の資料として提示されています。
実際に、国勢調査をベースにした「令和4年版 男女共同参画白書」の結果を見ると興味深い事がわかります。
※ここ最近、国勢調査は回答率の低さや信憑性がどうか微妙な所もありますが。。
これによると、2020年時点での30歳での未婚割合は女性は40%で男性は50%
(昭和55年では女性10%で男性20%と低い)
平成・令和時代で結婚しない理由は個々人様々なのかもしれませんが、30歳までの未婚率を見ると、昭和とは比べ物にならないのが分かります。さらに見えてくるのが、30歳まで未婚であった方々は、男女問わず40代50代と未婚率は横ばいとなり、もうそのまま結婚しなくてもいーや。ってなっている可能性が高いところです。実際にそれを裏打ちするデータも次の図にまとまっています。
上記のデータが示すように、若いうちは男女ともに結婚意欲はそれなりにあるのですが、30代を越えた瞬間に、もうなんというか・・。今のままのペースやライフスタイルでいいかな・・って思われる方も出てくるのかもしれません。
そして、さらに「なんで積極的に結婚したくないと思うのか?」という点も深堀をして調査を行っています。
男性側は「経済的な理由」を挙げている一方で、女性側は「仕事・家事・育児・介護を背負わされるから」「名字・姓が変わるのが嫌」というこれまた男女間でズレた回答になっています。共通している点は「出会いがない」となっています。
この結果から考察するに、なんとなくですが・・
男性は「自分で家庭や妻を守っていってやらないといけない」という昭和的なイメージ
女性は「何でもかんでも押し付けられるのはイヤ!」という昭和的なイメージからの決別
という構図になっているのではないかなと感じます。男性の方が、結婚観が変わっていない・・という状況なのかもしれません。
仮説ですが、もし昭和時代でも給料が上がらない時代であったとしたら・・
男性は女性を守らなければならないという男性側のイメージも合いまり、「俺にはまだその責任を負う経済力がないから・・」というので退いていた人も多かったかもしれません。(貧乏だけど魅力的な人などドラマ仕立ての展開は除いて)。そもそも経済力がないと親から結婚の反対も食らうような時代でしたし。なので、男性は女性に比べ「自分がパートナーの面倒を見る」という責任を感じやすい傾向は昭和時代から今も引き継いでいる一方で、仕事が不安定、給料が上がらないという事が合いまり、マインドを低下させている可能性もありそうです。
一方で女性は、母親の大変そうで辛い姿を見てきたからか、それとも、自身も社会の一員として働く機会に触れたからか、「結婚に憧れ」というよりも「結婚した後が大変」に代わっているような気もします。
その他の要因は結婚そのものの形式に対する意識が薄れている事や、自由でいたいという意見も20~30代女性では強くなっており、一人暮らしである事や、自分のキャリアや趣味を追い求めたいというマインドも強くなっているものと考えられます。
必要なのは適齢期の方々のマインドチェンジとインセンティブか?
これだけの国勢調査の結果をだしておきながら、根本的に若者に対する結婚観を買えるような政策は打てないまま、2023年を迎えています。こんな「結婚」というシステムに逆風がブンブン吹いている令和時代。どうやったら解決への一歩となっていくのか?を私なりに考えてみました。ここから先はもはや研究というかは思想的な所が入るので、へんてこりんな意見になっていたらコメントで糾してください(笑)
結婚しない方々のマインドは基本的に「人それぞれ」という事にはなりますが、先ほどのデータが示したところである「経済力」と「育児家事仕事の責任の所在」というところにフォーカスした場合、考え方のすり合わせが重要になってくると思います。
①経済力はどちらかが担うという幻想を捨てる(共働き、ダブルエンジンで不況を乗り切る)
②育児家事仕事こそどちらかが担う(男だから女だからというイメージの撤廃)
③パートナーとの共働きで相性の良い職種を選び取る
そして、最後に、国側も子供を産んだことに対するインセンティブを与えるくらいの事をしないとなかなかマインドも変わりにくいのではないかと考えております。そのインセンティブの具体的な内容については、過去動画にまとめていますが、ハンガリー並みのインセンティブを検討することも一つの手かもしれません。
10個以上の異次元の少子化対策を打ち出していまますが、そのなかでも凄いのが360万円を無利子で貸し出して、3人以上子供を産んだら360万貸出はチャラっていうとてつもない政策を打ち出して実践しています。
確かに予算はどーすんだ?という事もありますが、優先順位を少子化対策という事にしているので、これだけの事ができているのかもしれません。ハンガリーはGDPの5%ほどを少子化対策に充てているのでマジで本気なのだという事はよくわかります。(国としての規模感にもよるので、日本では難易度は高いかもしれませんが・・ただそれだけの覚悟が必要)
日本の場合はそう単純にいかないかとは思いますが、どのみち子供が増えない限りは富国はありえませんので、なんとかしてコウノトリさんに日本にたくさん子宝が恵まれるようにお願いしなければならない状況なのは間違いがありません。
なので、結婚適齢期の方々に、結婚するのってすんごい「お得」なんだ!!って思わせないと無理なんじゃないかと感じます。ですので成婚カップルに対しては一時金支援、優遇ローン、そしてたくさんの子が生まれればそれに応じた補助を行い、生まれた後の子供に対するケアは徹底的に国や行政単位でフォローする。また復職などをうまく行った企業にも補助を出すなどとか(育児取得補助の拡大版)なども考えて行く必要があるのではないかな~と思ったりします(多様性もあるので異論もでそうですし、予算をどこまで割いて取り組むかや不正が出ないかなど様々な問題はありますが、それはいったん置いておいて・・)
そして、夫婦ともにパートナーとして、子育てを主体とした仕事をリスキニングで選んでいく!
なので、国はリスキニング推進の前に、まずは母数底上げの一環で、若者に「結婚することによる経済的なメリット」を感じさせることがまずは最初の一手として必要なのかもしれません。国も色々と考えてくれているかとは思いますが、若者たちのマインドを考えたお得感を感じるような政策をぜひとも検討していってもらいたいものです。
あとは、夫婦も生活防衛のために、パートナーと話して、ライフスタイルに合わせた職種を自分たちで選び取っていく事も大事になるかもしれません。
相性の良い職種は・・ドラクエ風で言うと下記の中からライフスタイルを共に選んでクエスト(仕事育児家事)をクリアしていく事が重要なのかもしれませんね(オチ)
私は神のような超越者になりたい・・(願望)
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