※子どもがゲームに没頭して、全く宿題をしようとしない。
※それどころか、学校にすら行きたくないと言い始めた!
※外で遊ぶどころか、フォートナイトやApexのオンラインゲーム上の友達と遊ぶだと?
ゲームを取り巻く環境で、親御さんとしても非常に悩ましい状況があったりするのではないでしょうか?
ゲームも一昔前とは違って、かなり精巧に作られリアルを追求しさらに多人数でチャットしながら遊べるという状況になってきました。(あぁ・・ドラクエでスライムを狩ってひたすら経験値を溜めていたあの時代が懐かしい)
※これってスライムか?
特に、昔は個人完結で進めていたゲーム、または直接対戦という事で友達がおうちにきて、その場に居合わせて一緒にゲームする時代であったのが、いまやオンラインを介して、顔も知らない、住んでいる所も不明、学校の友達とだって離れて遊ぶことができるような状況となっています。それも、パソコンではなく携帯ゲームでできるようになっているのだからすごい時代ですよね。
今回は、子どもにおけるゲーム利用がもたらす影響についてを考察しますが、その前にまず、直近の環境を見直してから各論に入っていきたいと思います。結構ボリューミーですが、胃もたれしませんように・・・。
①コロナ禍でオンラインゲーム利用率と使用時間はどうなっていたか?
このオンラインを介したゲームはCOVID-19前後から子ども達の利用率が高まっています。もちろん、オンラインではなく個人で遊ぶゲームもありますが、特に依存度が高いといわれるオンラインゲームに関して絞って解説をしたいと思います。
総務省が委託して行った2022年度のオンラインゲームの利用実態における調査が公開されています。
(引用)三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査
なんともまぁ、10代でのオンラインゲーム利用率が高いという結果も出ています。
年齢別にみると、男性では10代から20代の比率が高いという状況にもなっています。
女性の比率もそれなりにあるというのがびっくりです。やはりこの時期はCOVID-19の関係で巣ごもり需要が高く、親側も子どもの対応が難しい事からゲームを容認していたという状況もマッチしていたのかもしれませんね。
オンラインゲームを利用している子達はほとんどがスマートフォンやゲーム専用機器による使用となっているようです。
中には最近、学校から貸し出された端末でゲームする・・・という事例もあるようです。時間帯によるネット接続を制限したり、フィルタリングなどで回避していることもありますが、一定数借りた端末でする子もいるようで、その子に対しては家庭内で指導をしてほしいというようにされているのが実態でもあります。だとしたら目を離していると・・・。という状況でしょうか。この調査では小学生は含まれていませんので、その実態は不明瞭ではありますが💦
ではオンラインゲームを使用している子達は、平日にどれくらいゲームをしていたのでしょうか?
おいおい・・・30代~50代では育児や仕事はどうした・・・という声が飛んできそうですが、この時期はコロナ禍で仕事が限定的であったことや巣ごもりで時間が余っていたという背景も加味されることもあるかもしれません。ただ、媒体がスマホや携帯ゲーム機であれば、場所を問わず休憩中や移動中だってできてしまいます。そういう背景も合いまっているのかもしれません。
まだ10代の子ども達においても平日は学校授業も限定的であったため遊ぶ時間もかなり伸びていたという事も考えられます。
(私の場合・・・平日2時間もあったら、ブログ書きたいよう・・・。)
この統計ではどういうオンラインゲームをしているかまでは調査はされてはいませんが、利用率は圧倒的に10代が多いという状況。これは男女ともに同じ傾向になっています。ただ、オンラインゲームは女性の方が比率は少なめにはなっていますね。
ただ確実に増えていることは確かです。(COVID-19という特殊環境下ではありますが)
男性が好むゲームと女性が好むゲームにも差はあるでしょうね。ただ最近はyoutubeなどでのゲームプレイ動画が出てきている所もあり、女児が憧れるインフルエンサーがゲームプレイをしているのに影響を受けて始めたりなどもあるようで、ゲームの種類の嗜好に関してもジェンダー間の違いが薄まってきているという考え方もあるようです。(私の憧れるあの人がやっているゲームをするとあの人に近づける気がするの・・・。という発想もあるのかもしれません)
実際にインフルエンサーマーケティングも水面下で行われていることもあり、消費者層として多い10代から20代のファンを抱えるインフルエンサーにゲーム実況動画やゲーム紹介をさせるという案件も多いと聞きます。そこが女性も興味を持ち始めている一側面かも?
下記のデータは過去一年以内にオンラインゲームで有料アイテムなどを購入したことがあると回答した520名を対象としたアンケートです。つまりガチでゲームをやっている層という解釈にはなるかと思います。
もう毎日プレイをするようになっていると、ライフワークの一環となってしまっていますね。さらに2時間以上を費やすわけですから・・・。こうなってくると、ゲームを主軸とした1日の時間設定を組まねばならない位ではないでしょうか?
単純に考えて、
週間単位:毎日2時間を1週間続けると14時間
月間単位:14時間を4週間続けることで56時間
年間単位:週間56時間を12ヵ月継続で672時間
うおお・・。ブログ書く時間が大体平均2~3時間なので200記事はできてしまう計算に(-_-;)
子どもにとっては、プレイしている時間が何よりもデトックスタイムになっていたりもしますし、日々のストレスから解放されたいという欲求もあるかもしれません。また友達とのコミュニケーションの仕方も多様になっていて、オンライン上で友達と遊ぶことで、何とか日々の辛さから逃避するための手段であるのかもしれません。
ただし、これを続け過ぎていくと、いつの間にか「手段が目的」となってしまい、
🙅キャラを強くするために時間が必要
🙅他者に負けないくらい進めなければならないので時間が必要
🙅強いアイテムが必要なので課金が必要
🙅スマホでできるからついついやっちゃう
🙅イヤな事があったらゲームする癖がついちゃった
🙅友達がするからついついやり続ける。仲間外れになりたくない
などに陥る危険性もあります。
子どもによって程度感はありますが、気軽にアクセスできるようになった点と、周りの影響という事が子ども達にとってオンラインゲームをする目的をすり替えてしまっているような気もします。(本当にこころから楽しいと思ってゲームをしているのか?)
「自制できる」
「あくまでも遊び」
「わりきってやってる」
「親と条件つけてやってる」
「やる事やってからゲームしてる」
というケースもあるかとは思いますが、中には下記の点で困っている事例も多いと考えられます。
✖昼夜逆転生活
✖日中に集中できない起きていられない
✖ゲームしないと落ち着かない
✖友達の輪から外されるか心配
✖イヤな事があったらついつい起動してしまう
✖ゲームの方が楽しい。日常が辛い
✖辞めたいと思ってももう今更止められない
特に現在問題となっているのは、3年間も続いたCOVID-19が明けて、日常に返り咲いた今。
あの環境で没頭してしまったオンラインゲームやコミュニケーション方法から脱却できずに困っているケースも増えています。
さらに、コロナ禍は我々のライフサイクルを大きく変えました。そのことで子ども達も環境対応に困るケースもあります。
この環境下で触れたオンラインゲームが、子どものこころのスキマに入り込み影響を与えている可能性もあります。
実際にスペインからの報告でも問題提起している論文もあります。
🔴コロナ禍の不安解消がコロナ明け後もオーバーラップしている可能性?
という結果になっており、コロナ禍の不安軽減のアプローチがコロナ後もその手段として定着しているという結果になっています。社会不安の代替として身近なゲームが選ばれている可能性がある事が示唆されてます。
そこで今一度考えなければならないのが、下記の子どもの不安がどのようにゲーム使用に結びついているかの点です。
自身のリアルに対する不安の代替としてゲームを選択すると、その没入感から色々な弊害を産み出してしまいます。
などなどで困っている親子も多いのが現状ではないでしょうか?
これらで悩む子をどうするべきか?それが非常に重要ですね。私が最も力を入れて解決したい分野の一つでもあります。
(もともとゲームにハマっていた過去があるからこそわかる点かも💦)
これらで悩む子ども達は、いわゆる「ゲーム障害および、その予備軍」でもある可能性があります。私も今思えば、人生の一部の時期を切り取ると、そういう状況だったのかな?と感じる事もあったりします。
私の時代では決して明るみに出ていなかった、この「ゲーム依存」
では令和時代の日本においてこの問題はどう取り扱われているのでしょうか?
その点について考えてみたいと思います。
日本におけるゲーム障害の実態
ゲーム障害は「ゲーム行動症」とも呼ばれています。(どちらが正しいという訳ではないです)
厚労科研報告書2019年(中高生のいる家庭に無作為に質問票を送付して回答)において、ゲーム依存を疑う若者の割合は、
となっています。この時点で若者の20人に1人はゲーム依存が疑われているという実態となっています・・・。
そして実態としても、ゲーム依存は男性に多い状況となっています。
世界を引き合いに出して考えてみますと、
となっており、全年齢での日本の5.1%のゲーム障害は世界に比べても高すぎるという訳ではなさそうです。
依存症対策全国センター集計 2022からのデータによると、
日本各所の医療機関にも、インターネット・ゲーム障害に関連する専門外来が存在していますが、
ゲーム行動症で専門医療機関(対象50施設)を受診した患者は令和3年度だけで
✅10-19歳が最も多く、男児で368名、女児81名
✅20-29歳で男性104名、女性20名
✅0-9歳で男児が35名、女児5名いた(全体の6%)
いやはやびっくりだったのが、全体の6%で0-9歳の時点でゲーム障害として診断されているというところが驚きです。
この時期はCOVID-19の影響を受けていたとはいえ、低年齢層がここまでの数に上っていることに驚愕です。
また、日本有数の専門施設の久里浜医療センターネット依存専門外来数の推移は、
12歳以下が2017年は6.8%だったのだが、2020年を皮切りに2022年では18%に急増しているようです。
ゲーム障害と判定された子の9割がオンラインゲームとなっていたことからも、オンラインゲームが日本の今のゲーム障害を引き起こすリスクの代名詞となっているのは間違いがないところかと思います。
世界的な動きを見てみますと、お隣の韓国では、2022年1月までは青少年保護法の一環でオンラインゲーム使用規制をかけていたほど。(現在は使用環境が変わった事からこの規制は撤廃されている)
また、中国では、オンラインゲームを「精神的アヘン」と例えてかなり厳しい使用規制をかけていた背景があります。土日祝日の20時から21時までの1時間(週3時間が限度)のみに徹底し、新規のオンラインゲーム作成を認可しない方針を徹底して18歳未満の75%以上が週3時間になったという事で、青少年のゲーム中毒問題は解決したと謳ってます。
現在は規制が若干緩和されたとの事ですがまた取り締まりの気配もあるようです。
ほんとかどうかは別として、さすが中国という感じではあります💦
インドではゲーム依存を減らすアプローチとして、オンラインゲーム開発会社に28%の税金を上乗せするといった報道もあるくらい。(インドの情報サイトmint)
個人的には、日本にはこんな強烈なソーシャルゲーム(オンラインゲーム)規制はかかりにくい状況とはいえますが、世界ではやはり子どもの機会損失や社会の経済的損失について憂慮しているという背景も見て取れます。
では、このゲーム障害がもたらす影響というのはどういうものがあるのでしょうか?
ゲーム障害がもたらす障害と影響
世界保健機関(WHO)は2022年にゲーム障害を疾患認定しています。
WHOが提唱しているゲーム障害の定義としては、
上記を基準にしています。ただし実際の臨床現場では、この4つを満たしており問題と判定されれば12ヶ月以内でも診断をすることにされています。
オンラインゲーム依存に合併する問題としては、
上記のように多岐に渡るとされています。子どもの発達面や心身にもたらす影響、そして社会的な影響面も無視できない事から各国が注視していることもよくわかります。
特に、オンラインゲームにおいてほぼ必発といわれる症状が、昼夜逆転現象を生む「睡眠障害」とされてます。日中のパフォーマンスにもたらす影響はさることながら、子どもにおいては健全な発達や学業にも大きな影響を示すでしょう。
また、令和5年度版「ゲーム障害全国調査報告書」(ゲーム障害調査研究会)の報告によると、子ども(10歳から中学生)で年間にかなりの頻度でゲームする子どもに限定して行った機能障害該当におけるデータでは、下記のような問題を訴える子も多かったようです。
データとしてはあくまで傾向だけという事にはなりますが、上記のような問題行為でご家庭も子どもも悩んでいるという実態が浮き彫りになっています。
ゲーム障害と不登校の関連
不登校の要因は様々ありますが、 専門機関に来る50%程は不登校となっているというデータもあります。
子どもにおいては、単にゲームが好きとかゲームの時間などに依存しているのではなく、
※友達がいない
※いじめられる
※学校・教室が怖い
※変な目で見られる
※学校がつまらない
※授業についていけない
などの理由が背後にあるケースが多いとされています。つまりゲームに逃避している状況も考える必要があるという事です。
逃避した状況で自分を満たす移行対象として、ゲームをしたい、ランキングを上げたい、オンラインフレンドと交流したい(仲間はずれになりたくない)、イベントや大会に出たいというように移行対象としてゲームに没頭する事が問題視されてます。
様々な側面がある中で、ゲームが一つの移行対象となっているのであれば、その移行対象をどう変えて行ってあげるのか?が大きなポイントになってくるという事で、様々な治療のスキームが建てられているという背景があります。
ゲームが子どもの発達にもたらす影響とは?
ではゲームが子どもにどういう影響を与えるのか?いくつかの報告を見て行ってみましょう。
上記の理由に関してはまだ明らかになっておらず、「結果そうなっていた」という報告が積み重なってきています。 さらにゲームをやめることで脳の萎縮がもとに戻るのか?という報告は現時点では殆どないとの事です。
スマホやゲームは子どもたちの学業成績低下に関連するのか?について調べている論文もあります。
上記データは世界的な動向のため、日本との文化の違いを加味して考えなければなりませんが、本人のゲームをプレイする自覚とあくまでも息抜きであり、ゲームは幸福度を上げていないという事を自覚することも大事なのかもしれません。
発達適齢期の子どもにおいて、座位でゲームをし続ける事の筋力低下の問題も指摘されていますね。
どちらかというとPCを使う人が当てはまりますが、そもそもスマホやタブレットや専用ゲーム機も座りながらすることになりますので当てはまりそうかと。さらに発達適齢期の筋骨格系障害は長期的に関わる可能性があるので注意です。
ゲームが思春期の子どもの精神発達に与える研究も発表になっています。
🔴ゲームが思春期の子どもを実社会から遠ざけているのか?それとも実社会から遠ざかるからゲームに依存するのか?
メンタルヘルス的にもゲームに没頭する人には何かしらの背景があるとも考えられます。今までは男性が多く女性が少なかったゲーム依存ですが、女性でも増えてきており、その背景としてゲームに向かわざるを得なかった理由の解明が重要視されています。
日本でも徐々に増えつつある思春期女性ゲーマーは背景に何かしらの要因を抱えているケースがあります。日本における背景調査が急がれると共に、性差ごとの背景解明が急がれる題材でもあります。
子どものこころに対して親ができる事とは?
上記で述べたように、子どもがゲームにハマる原因は色々多角的な所にあります。なので、ゲームやインターネットをただでやめさせるという表面だけの対処では根本解決にならないどころか火に油を注ぐ結果になりやすいといわれます。
つまり、子どもの根源理由を知り、それに対する対応が必要になってくるという事になります。
ゲーム障害などを診察している、子どものこころ専門医の見解としては、
✅もともとの子どもの性格や特性、また環境的な悩みそのものがゲーム依存のリスク因子
✅ゲームに夢中となっている子も診察してみると、精神的合併症の傾向はあっても診断までつかないケースもある
✅神経発達症の有無(ADHDなど)がゲーム依存のリスク因子
とも述べており、もともとの子どものこころの状態は発達の状態によってもリスクが変わってくることがあります。
特に気をつけねばならないのは、ADHDとゲーム依存の関係性です。
ゲーム依存が社会的な問題となっていたお隣の韓国からのデータでは下記のような論文が出ています。これはよくゲーム依存を治療されている臨床の先生方が引用されている報告でもあります。
ADHDとゲーム障害の関連性を脳の観点で調査した結果、共通する障害が確認されているおり、ADHD傾向である子のゲーム依存により障害が重なる、また助長されるリスクもあるとされています。
刺激が多いゲームに対してのめりこむ傾向もあるため、特に親は注意が必要である。
久里浜医療センター460名の患者での動向を見ても、そのうちの61.2%がADHD傾向であったことが明らかになっているようですね。日本においても共通するリスクである可能性があります。
このようなリスクを回避するにはどうしたらよいか?色々なアプローチが考えられますが、
①ADHD治療薬による依存の解除、それと共に環境を整え調整する
②スタンダードな治療としての認知行動療法によるアプローチ
③家族療法や家族療法+認知行動療法が有効な可能性
④環境調整。ゲームから別の興味対象へ移行させる取り組み
⑤状況に応じて入院対応やゲーム離れのカウンセリングなどを検討
などがあります。あくまでも参考でありますので、実際の治療に関しては個々の医療機関の指示を参考にして下さいね。
この際のアプローチにおいて、親御さんの協力が必要不可欠になります。お子さんの状況における声掛けタイミングやどう声をかけていくか?という事は極めて難しく、かなりの工夫が必要になってきます。
各種論文において、家族療法やペアレントトレーニングの重要性なども語られており、ここで親御さんがアプローチ方法を学ぶことによって問題を回避する可能性を高める事もできます。
より早期に養育者が子どもの状況に気づき、一手を打つことが重要とされています。
その際の親御さんの工夫の仕方やアプローチやタイミングを学ぶことが重要ともされています。
その一環で、「家族に対するペアレントトレーニングが子供のゲーム依存軽減と受診率を向上させた」という結果を示している論文も出ています。【引用】Lampropoulou P et al. Cyberpsychol Behav Soc Netw 2022
通常のペアレントトレーニングは小学生までしか対応されていませんが、下記のペアレントトレーニング(ペアレントアウェアネス)は思春期対応という事で、高校生までの子供を養育している親御さん向けのプログラムとして提供しています。
もし気になる方がおられましたらチェックしてみて下さい。
ゲームって悪いことばっかなん!?
ここで一部、釈明を兼ねて述べておこうと思いますが、ゲームは決して「悪」ではありません。
やはり過度な利用やその背景が問題になるわけであり、過度にならざるを得ない背景是正が重要という事になりますね。
実際にゲームのポジティブな面も研究されています。
代表的なのがオンラインゲーム以外の側面も持っていますが「マインクラフト」が有名です。マインクラフトを使った授業やクリエイティブな教育コンテンツも立ち上がるくらいです。ゲームでできる立体的なレゴみたいなもので、子ども達の創造性を高める事もできます。
いくつかその根拠となる論文を紹介したいと思います。
などのように創造力を高めるという点やワーキングメモリーを改善する点でも有用性が示されています。
また、今回やたらと子供の成長に対して敵視(?)してしまっているオンラインゲームですが、
やはり過度にならなければ良い側面がある事は事実です。
一人黙々としてプレイするゲームは海馬を使わない状態で受動的なプレイになっている可能性があるようですね。
第三者との協力プレイや戦略的なシミュレーションゲームなど思考を広げるゲームならば海馬に対する影響もある可能性がありそうですね。ただこの短期的な海馬の活性化が長期に持続するのか?今後にどういう影響をもたらすのか?までは検証されていないので注意が必要かもしれません。
過激な描写を含むコンテンツや性的描写のあるような有害なコンテンツの選別は重要ですし、子どもにとって思考を広げるコンテンツになるかどうかは協力者次第ということもありそうです。もし親側に余裕があるならば、不特定多数でコミュニケーションを取る事で問題があるようなコンテンツは避けて、親とともにシミュレーションゲームを楽しむなどの選択もあってもいいのかもしれません。
また、ゲームの置き換えも有効です。ADHD児にとっても、そのアプローチが有効だったという報告もあります。
ゲームは元々、療育の場でもソーシャルスキルトレーニングの一環でADHDやASDの療育の一環でも取り入れられてきている背景があります。依存性が高いゲームではなく、その場での反射神経を鍛えたり認知強化にも大きく寄与します。
昔、私もADHDの特性も強かったですが、ダンスダンスレボリューションをしてからかなり状況が良くなったような気がしています。落ち着くと共に、爽快感や疲労感があり、その後に勉強をするとすさまじくはかどったのを覚えています。
今の時代は中々ダンスダンスレボリューションをする状況ではないと思います(だって、PS2とかWiiですのでご家庭にない場合が多そうだもん)。そんな中、私も患者さんから教えて頂いたものでかなり有用なものがあると聞きましたので紹介です。
「リングフィットアドベンチャー」はかなりアクティブな動きとリズムを要求されます。しかもかなりの運動量になるので、ADHD児もハマるのではないかという事でした。(あくまでも個人の感想です)
ただ、オンラインゲームにハマる事から、これだったら自由にやってもいいよってさせてあげたりするのも一つの手かもしれません。またゲームに興味を持ち始めるタイミングでは、変にゲームに没頭させるよりも親の監視下でゲームを楽しませてあげるのもポイントかもしれません。(クリックすると別ページに飛びます)
また、これも教えてもらったのですが、すでにリングフィットアドベンチャー2も出ているという事で、Nintendo Switchにハマってしまって、モンスターハンターとかフォートナイトとかスプラトゥーンにハマってしまっている子はリングフィットアドベンチャーに置き換えてあげると奥行きが出て依存も緩和できるのかもしれませんね。
意外と「置き換え」+「自由にやってよい」+「勉強前にしても良い」は依存解除に効果的かもしれません。
最後に
今回の内容は、あくまでも日本におけるゲーム障害の実態にフォーカスをしてお届けしました。
実際に、ゲームにのめりこむことで身辺自立ができないという事で、児童精神科や小児神経科に親に連れ添われて子どもが通うというケースは少なくありません。
また昨今、不登校が歴代の記録を更新し増加傾向であることも分かってきています。氷山の一角でもありますし、色々な側面がある事も事実です。その背景の一つにもネットやゲームの問題も含まれてきます。
我々はテクノロジーとは切っても切り離せない時代に生きています。だからこそ、テクノロジーとどう向き合い、どう利益を享受するべきかが大事なのですが、「受け皿が整っていない」、また「社会的に課題を抱えている」子はテクノロジーに放浪されてしまいかねません。
「ネットリテラシー・ゲームリテラシー」とかいう言葉だけでは片づけられない問題に子ども達は直面しているのかもしれません。その背景はリアルとの折り合いが中々つかないからこその葛藤が大きく影響している可能性もありますし、子供の成長がまだ整っていないという事も十分あり得ます。
その点を、我々親も見出し、移行対象を適切な方面に向かせてあげる事も考えて行かねばならないポイントなのかもしれませんね。
不登校とゲーム関連に関して、子どものこころ専門医が臨床をベースにして書いている本も出ています。おそらくは私ごときのブログ記事よりもこっちの方が役に立つのかも・・・(;^ω^)
この本は具体的な解決方法を記載しているのではなく、養育者である我々が子どものこころをどう捉えてアプローチをしていくべきなのか?という極意が盛り込まれています。ゲームだけではなく、様々な状況で道に迷っている子に光の糸をどう紡いでいってあげるのか?という羅針盤的な内容となっています。
本記事や下記の書籍が皆様のお役に立てば幸いです。
感じた事などをコメントで頂けますと追加で調査するモチベーションにもなります。よろしくお願いいたします。(*´▽`*)
また動画編集超初心者であった頃に作ったゲーム障害に関連する動画も作っています(1年前なのでへたっぴ)。
動画作成方法とか知らず、べしゃりの間合いも全く分かっておらず、かなりまったりしゃべってますので、1.5倍速くらいで聴いて下さいな(それくらいがちょうどよいです)
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