2023年度も福岡市市長として続投することになった高島宗一郎市長。
4回目の当選となったが、昨年末の福岡市長選挙の投票率は34.31%となっており、歴代福岡市政選挙で過去5番目に低い投票率であったといわれています。そんな中で2023年のかじ取りをどう行っていくか?予算をどう作っていくかに皆注目していたかと思います。
皆が注目する中で発表された令和5年度当初予算で、ひときわ目立った予算を組んでいる項目がありました。
それが「子育て応援予算」であり、その詳細を高島市長公式ブログから引用させていただいています。
2022年11月の再選から、需要項目として挙げていた「子育て支援」。
メインの公約に挙げていたこともあり、その点を高島市長始め、福岡市政は積極的に打ち立ててきたという印象を受けます。
大きく3つの保証のための予算を組んでおり、
をメインとしています。
2022年度と2023年度の主な変更点を下記に列挙しています。
①多子世帯支援
①第二子以降は所得に依らず保育料を無償化(政令市初)
幼保無償化の0~2歳までの拡大版といったところでしょうか?幼稚園0~2歳も対象で、幼稚園についても希望する園は新年度からは生後3ヶ月以降から預かり保育が出来るようにして、同様に第二子以降は無償化という内容になっています。所得制限が撤廃された点は大きいかと思います。
②産後ヘルパー回数の倍増
第二子以降対象で2022年までは20回だったのが、本年度は40回までとなっています。注意が必要なのは、利用期間は出産後6か月未満までで多胎児の場合は出産後1年未満となっています。
2022年までは20回上限(多胎児が最大40回)となっていましたので、回数が多胎児の40回と同回数となったという感じですね。
③子育て世帯の住替え助成
子供が2人以上という条件で最大25万円補助がでます。2022年までは上限額15万円まで(多子世帯であった場合は5万円上限を上げた20万円まで)となっていました。それを拡大していますね。対象となる費用は、既存住宅購入費用や礼金、仲介手数料、引越し運送費用など、初期費用の一部を助成することになっています。意外と大きいのが、この助成を受けて既存住宅を住宅ローンで購入した場合、当初10年間は年0.25%の金利引き下げを受けられるという点です。この金利引き下げは前回からもありましたが、今年も適応のようです。ただし年収上限や住宅の状況など各種条件がありますので要注意です。詳しくはこちらをどうぞ
②サポートを必要とする子供への支援
①障がい児の通所施設や放課後等デイサービス、ホームヘルプサービスなどの利用料を5歳まで完全無料化。
6~17歳までは月額上限3000円で無制限利用が可能。所得制限はなく利用可能、こちらは第一子から対象のようですね。
②子ども食堂助成を通じた子供の支援
2022年から福岡市のこども未来局が取り組んでいた支援を強化する予算のようです。2023年度は運営団体への補助金額を従来の1.5倍の最大60万円にして、補助の期間8年という年限を当面適用しないとのことです。この子ども食堂は、令和4年3月現在では福岡市内では50か所以上で取り組みが行われています。貧困解決だけではなく、最近疎遠になっている地域つくりネットワークと子供の防犯の観点からも生活の拠点として重要視されていますので、何とか踏ん張ってもらいたいものです。
③全子育て世帯への支援
①おむつ安心定期便
生まれてから2歳までの3年間配送料無料で毎月オムツが100枚ほど届くようです。過程によってはおむつ意外におしり拭きやミルクがいい場合はそちらも選べるようです。この制度を生後から受けた計算だと、3年間で子育て世帯の可処分所得が72000円相当増える想定となるようです。なんともうらやましい・・。このサービスは単におむつを定期便で届けるだけではなく、育児相談支援と連動させ、子供の命を虐待から守るための制度設計としても応用していく方針のようです。この部分の財源は、昨年完売したアイランドシティの利益100億円から捻出し、2023年8月からの運用となるようです。
②こども医療費ワンコイン制度
こども医療費は高校生まで1医療機関あたり1ヶ月500円が上限。入院費は高校生まで無料となっています。こども医療費は行政によって対象年齢と補助内容が変わってきます。現状で18歳までを対象としているケースは少なく、全国でも1731自治体のうち736自治体なので半数以下となっています。中には20歳、22歳まで(北海道南富良野町)という自治体もあるようですが・・
③産前・産後ヘルパー/産後ヘルパー(訪問型)補助
訪問型の産後ケアや産後ヘルパー利用料も大幅に負担軽減にしてワンコイン500円とするようです。
父親側の育休が取れない場合の活用には重宝しそうな制度ですね。もちろんこれも所得制限なく、第一子から利用可能なので大きいですね。
その他にも昨年同様、継続している市からの補助としては、育児世帯のみではなく、子供を支える側の補助も行っています。
子供だけではなく保育園や保育士の支援も行っており、保育園や幼稚園の運営にかかる費用の助成や保育士や幼稚園教諭の奨学金返済支援で、短期大学や専門学校の場合は上限10000円/月の補助、大学であった場合は15000円/月の補助を行っているようです。
さすが広報力と決断力がある高島市長というところでしょうか。この取り組みは大きく報道されるに至っています。全体の予算案も総額1兆円を超えるものとなっており、かなり大掛かりなものになっています。政策の優先順位や、過去からの継続協議、また不完全になってしまっている市政も確かにありますが、子供たちは未来への投資、ここに積極投資をするのはありがたいですし、子供を増やすためにも多子世帯への支援の充実は必要ですね。福岡市政、応援しています。
ところで、国側ももっともっと踏み込んで、優先順位を付けた予算を考えてもらいたいものですね。もうちょっとでもいいから踏み込んでいってほしい。世界を見渡してみると、ハンガリーの少子化対策は異次元級であり世界中も取り上げていて有名です。ここまでやれとは言いませんが、少なくとも子供を産む事が家庭のインセンティブになるような方向性を検討してもらいたいものですね。なぜなら国の礎を築いていく宝の子たちを育ててくれるわけですから。
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